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ー 『紅白』の視聴率を上げたいNHK

 間近に迫った『第76回NHK紅白歌合戦』。出場アーティストやゲスト審査員が続々と決まるなか、12月17日に発表された「審査方法」が話題を呼んでいる。

『紅白』の視聴率を上げたいNHK

「審査は『視聴者投票』『会場のお客さんの投票』」『審査員』の3グループでそれぞれ1ポイントずつ。3ポイント中、2つ以上のポイントを獲得した組が『優勝』となります」(芸能ジャーナリスト、以下同)

 そんな3つのうちの一角を占める視聴者の投票だが、テレビの視聴時間によって“投票できる数”が変わるという。

「放送を見始めたら1票獲得。その後、5分連続視聴を10回達成するごとに1票増え、最大5票。つまり、最後まで見る視聴者が多くの投票権を持つ仕組みというわけです」

 また、投票はテレビのリモコンのみで、スマホからはできない。純粋にテレビを見ている人だけが投票権を持つのだ。

「NHKはやはり『テレビの価値』を守りたいのでしょう。ふだんは配信やネットに流れている視聴者も、年に一度の特別な『紅白』はテレビで見てもらい、視聴率を上げたいのだと思います」

 毎年、視聴率の減少が叫ばれ、不要論が巻き起こる『紅白』。打開策のための努力に対しSNS上では、《視聴者投票って…それぞれがそれぞれに楽しんだらいいと思う》《審査員が最後に紅か白かの札を挙げて多数決でいいんだよ。複雑すぎてよくわからなくなってるじゃん》といった声が多く、スタッフの熱意はなかなか届いていないようだ。

「根本的な疑問は『紅白に勝敗は本当に必要か』ということだと思います」と語るのは、さる放送作家。

「スポーツ紙などは毎回『白組優勝』などと書き立てるところもありますが、男女に分けて競い合うというルール自体に疑問を持ってしまいますね。セクシュアリティが多様化する社会で、この枠組みを維持しているのもどうなのでしょうか」

 ネット上でも確かに《紅白を勝敗気にして見てる人ってどんだけいるんだろ》《毎回思うけど紅白って勝敗決める必要ある!?》といった声も。

「もはや勝敗にこだわっているのはNHKだけだと思います。どちらが勝つかわからない緊迫感を演出したいのでしょうが、そうであれば、本来はネット投票を取り入れてリアルタイムで票数の変動が分かるようにショーアップすればいいのですが、一方でシニア層などは歌をじっくりと聴きたい人も多くいる。こだわりたいけど“みなさまのNHK”である以上はこだわりきることもできない。現場はジレンマなのだと思います」(前出・放送作家)

 今年の紅白の“勝ち負け”はいかに――。