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ー アニメと世界観が違うという指摘

 12月18日、フジテレビは『ちびまる子ちゃん』のオープニング主題歌『おどるポンポコリン』の歌唱アーティストをAdoに変更すると発表。人気アーティストによるカバーに期待が高まる一方、ネット上ではさまざまな意見が飛び交っている。

アニメと世界観が違うという指摘

『おどるポンポコリン』は、1990年の『ちびまる子ちゃん』の放送開始当初から社会現象を巻き起こした日本のアニメソングを代表する名曲。現在は2019年4月から担当している「ももいろクローバーZ」が歌唱しているが、今回、6年8か月ぶりにアーティストが変更されることとなった。

 新たに大役を担うAdoは、自身のラジオ番組で“まる子愛”を語るほどの熱心なファン。今回の起用に際して、「幼い頃から見てきたので、本当に幸せでいっぱいです」と喜びを爆発させている。

 ネット上では、《夢があって嬉しい!》《新しいポンポコリンが楽しみ》といった好意的な声が上がる一方で、《ちびまる子ちゃんの世界観とは合わない気がするし、クセが強いだけに違和感がありそう》《Adoの低い声でシャウトするイメージと、軽いノリの曲は違うのでは》といった意見も。

「これまで『おどるポンポコリン』は木村カエラさんやゴールデンボンバーなど、いろいろな個性を持ったアーティストにカバーされてきました。それでも今回心配する意見が多く出ているのは、Adoさんの持つ強烈な世界観が、作品の明るいイメージと違和感があると感じる人が多いからでしょう」(音楽誌ライター、以下同)

 Adoといえば、顔出しをしないスタイルながら圧倒的な歌唱力と表現力が特徴のアーティストだ。映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌『新時代』の世界的なヒットも記憶に新しいが、ミステリアスな彼女のイメージと、まる子の等身大の日常を描く世界観の対比に戸惑うファンもいるようだ。

 また、SNS上では《まるちゃんといえば、B.B.クィーンズがしっくりくる。今の坪倉さんが歌うおどるポンポコリンが聴きたいわぁ》といった意見も。

 “坪倉さん”について前出・音楽ライターが教えてくれた。

「初代歌唱を務めたB.B.クィーンズのボーカルが坪倉唯子さんです。おかっぱ頭の女性といえば多くの人が目に浮かぶはず。坪倉さんは中島みゆきさんや吉田拓郎さん、福山雅治さんのバックコーラスを務めるなど、音楽業界では“コーラスクイーン”と呼ばれる超実力派。年齢を重ねて深みを増した坪倉さんの歌声で、新バージョンの『おどるポンポコリン』を聴いてみたいという人がいるのも納得です」

 これほどさまざまな意見が出るのは、『おどるポンポコリン』がそれだけ国民に愛されているからだろう。ヒャダインがアレンジを手掛け、アニメキャラクター化したAdoが登場するという新バージョンは、12月28日からオンエア予定だ。