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ー 飲食店や商業施設への影響も大きい

 首都圏を代表する大型イベント会場の1つである『さいたまスーパーアリーナ』が老朽化に伴う大規模改修工事のため、1月13日から休館に入る。期間は最大で18か月。約1年半にわたり、関東圏から“3万人規模”の会場が姿を消すことになる。

 2000年の開業以来、音楽・スポーツ・展示会など多様な用途で使われてきた、さいたまスーパーアリーナ。同会場で音楽イベントをプロデュースしている音楽ジャーナリストの鹿野淳氏は、その存在意義をこう語る。

「さいたまスーパーアリーナが完成した当時、関東圏で1万人規模を超える会場は限られていました。3万人を収容できるのは非常に貴重で、大物海外アーティストや大規模な国内コンサートの受け皿として重宝されてきたのです」

 RIZINなどの総合格闘技や音楽ライブ、さらに企業展示会や商品説明会、確定申告会場など、エンタメ以外の用途も多く、年間を通して高い稼働率を維持してきた。

 そんな会場が長期休館となる影響について、鹿野氏は「最も大きな打撃を受けるのは音楽業界」だと指摘する。

「関東圏で、メジャーな3万人会場が1つなくなる影響は非常に大きいと言えます。現在、Kアリーナ横浜や東京有明アリーナなど、代替施設も増えてはいます。とはいえ、週末での会場確保はすでに厳しい状況にあり、ライブ会場の取り合いは激化するでしょう」(鹿野氏、以下同)

飲食店や商業施設への影響も大きい

2026年1月13日からの改修工事を伝えるさいたまスーパーアリーナ(公式HPより)
2026年1月13日からの改修工事を伝えるさいたまスーパーアリーナ(公式HPより)

 アーティスト側も対応を迫られる。さいたまスーパーアリーナでの1公演で成立していた動員を、複数会場に分けて実施するケースも増えそうだ。

「例えば、横浜アリーナと大阪城ホールで分けて開催し、合計の動員数を確保することになることも。ライブ自体ができなくなるわけではありませんが、さいたまスーパーアリーナは新幹線でのアクセスがよく、地方からでも日帰りで行ける会場でした。そうした強みが失われるのは主催側も来場側も痛いですね」

 年間で数百万人規模の来場者が見込まれる施設の休館は周辺地域にも影響を及ぼすという。

さいたまスーパーアリーナは、ほぼフル稼働で、年間数百万人規模の集客があり、その人たちが1年半来なくなることになります。イベント来場者が落としていたお金が消えるため、飲食店や商業施設への影響も相当大きいはずでしょう」

 改修後には、安全性や利便性が向上した姿での再始動が期待されている。しかし、約1年半という空白期間が、音楽業界や周辺地域に与える影響は決して小さくなさそうだ。