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ー 1万5千円の恵方巻も

 その年の縁起のいい方角を向いて無言で1本食べきると、福を呼ぶとされる巻き寿司、恵方巻。すっかり節分の定番として定着した幸せな風習の裏で、今年もまた、我々は食品ロスの現実を突きつけられている。

1万5千円の恵方巻も

「それが、1月23日に投稿された恵方巻が大量廃棄されている様子の1枚です。Xにつづられている文言には《もう、恵方巻はやめませんか?》とあり、大きな箱に山のように残った恵方巻が積み上げられています。完成された恵方巻のほか、きゅうりや玉子といった具材がバラバラになっているのも見受けられます」(スポーツ紙記者、以下同)

 衝撃の写真を投稿したのは元雑誌編集者の女性。問題提起に対して現在8万いいね、1万リポストがつくなど拡散。大きな反響を呼んでいる。

 SNS上には、《家畜のエサとして再利用されるので問題ないですよ》など、廃棄されても家畜の飼料に役立つなど、まったくの無駄にはなっていないという声の一方で、《それは解決方のひとつですが、すべての廃棄食糧が無駄なく家畜のえさになっているわけでもなく、人間の心理、良心として、このようなことがあってはならない、という思いからです 楽観的過ぎませんか?》など議論が交わされている。

 そんななか今年も“恵方巻商戦”は活発だ。

「最大手コンビニのセブンイレブンは、韓国風海苔で巻いて食べるキンパ恵方巻や、ツナマヨ・海老マヨを詰めた子どもターゲットにしたミニサイズ商品を展開。ファミリーマートは、ミシュランガイドで星を獲得した寿司店『銀座おのでら』が初監修したコラボ商品を投入しました」

 またコンビニに限らず、百貨店やホテルも参戦。

「大阪の阪神梅田本店では、本マグロ・大トロ・北海道産いくら・鰻など8種の具材を使った1本1万1880円の豪華恵方巻が登場。ホテルニューオータニ博多は、節分を贅沢な気分で過ごしてもらおうと、金粉をまぶした太巻きの中に博多和牛・国産伊勢海老・アワビ・ウナギなど高級素材を詰め込んだ超豪華な恵方巻を準備。1本なんと1万5000円だそうです」

 こうしたこだわりの商品が話題になる一方、節分のたびにたしかに恵方巻の大量廃棄は問題視されており、もはや食品ロスのニュースが、業界の“恒例行事”とさえ言える。

 経済に詳しいライターはこう語る。

「昨年12月、危機感を抱いた農林水産省が、恵方巻きのロス削減に取り組む食品小売事業者を募集。応募した事業者名を来年同省のホームページで公表するという“奨励策”まで打ち出しました。それがどこまで効果があったのかは不明ですが……」

 もちろん企業側も手をこまねいているわけではないという。

「廃棄コストを抑えるため、予約販売を中心に切り替える動きが進んでいます。また、AIを活用した需要予測を導入する企業も増えており、ロス削減への努力は確実に行われています」(前出・経済に詳しいライター)

 ちなみに、今年の方角は南南東だそうである。