2月6日から開幕しているミラノ・コルティナ冬季オリンピック。史上初めて複数の都市で開催されており、その熱気は世界中に広がっている。目覚ましい活躍を見せる日本代表選手たちの素顔と秘話を追ってみた!
「夢を見ているんじゃないかというくらい、ものすごくうれしい」
3位で迎えた勝負の3回目の演技で大技を決めると、自然と涙がこぼれていた。スノーボード女子ビッグエアで村瀬心椛(ここも)が逆転で金メダル。スノーボード女子では日本人初の栄冠を手にした。
限界値を超える集中力
ゴールドメダリストの“素顔”について、元スノーボード・ハーフパイプ選手で友人の鍛治茉音さんに聞いた。
「種目は違いましたが、心椛とは昔から一緒に練習していて、スノボに対しての“カッコいい”を追求していました。心椛はすごい努力家で常にスノボのことを考えています。私がケガをしたときは寄り添ってくれて、友達思いで優しい子です」
幼いころからスノボに打ち込んできたが、学生生活も楽しんでいた。岐阜第一高校時代の担任だった安藤聡さんは、当時のことをこう振り返る。
「学校に来られないことが多いぶん、学校行事は楽しんでいました。時間の合間を縫って文化祭に参加したり、スノボと学生生活を両立していました。スノボの選手だと通信制の高校を選ぶ人も多い中で、全日制の高校を選んで学校生活を大事にしていました」
普段は“普通の女子高生”だったと、高校時代のスキー部の顧問だった大場順二さんが証言する。
「見るからにアスリートという感じではなかったです。オーラがあって近寄りがたいということも、いっさいない。どちらかというとシャイなタイプ。今回、インタビューにしっかりコメントしているのを見て“成長したなぁ”と感じています」
学生生活も楽しみながら、高校2年生のときに北京五輪で銅メダルを獲得。だが、快挙の裏では中学2年のときに右膝の膝蓋骨を手術した影響で常に痛みと戦っていた。
北京五輪後からの4年間、苦しむ村瀬のリハビリやトレーニングを指導してきたスポーツトレーナーの佐藤義人さんに話を聞いた。
「最初はトップレベルでスポーツができるような筋力ではなく、普通の女子高生のような足でした。ケガをしていないアスリートであれば問題ないメニューがこなせない状態でしたので、テーピングで筋肉と骨を正しい位置にしながら、筋肉を取り戻していきました」
筋力をつけ、膝のケガを治すところからスタートし、五輪で金メダルに輝くことができる身体をつくった。そこには心の強さがあるという。
「きついトレーニングでも淡々とこなしているんです。でも、終わった後は貧血になるくらい自分を追い込んでいる。男性アスリートだったら叫びながらやるようなメニューでも表情にはほとんど出さない。
各5分という短時間のトレーニングメニューですが、その時間でしっかり自分の限界値を超えることができる集中力とマインドはすごかったです」(佐藤さん)
最後に“金”を手にした裏には精神力があった。

















