広報が明かした“おいしさの秘密”

 ここまで人を虜にする乱切り麺とは、いったい何が違うのか。

 富士そばを展開するダイタングループの広報担当者に、そのおいしさの秘密を聞いてみた。

「乱切り麺を使用した『乱切り蕎麦』は、通常のように麺が切られた状態で店舗に配達されるのではなく、麺玉の固まりを『押し出し式製麺機』で店内製麺しています。ご注文を受けて初めて製麺するため、作りたてのおいしさを味わえます。

 また、平麺から細麺まで、太さの異なる数種類の麺ができあがるのが最大の特徴で、従来のストレート麺にはない独自の食感を楽しめます。その強いコシがお客様からご好評をいただいております」

 注文が入ってから、その場で麺を押し出して茹でるという、そばチェーン店の域を超えた本格派だと明かす。この乱切り蕎麦が誕生したのは10年ほど前のこと。

「当時、さらなる売上アップのために、現在の会長と運営会社のスタッフで、よりおいしい蕎麦の研究を重ねていました。他店へ足を運んだり、自分たちで何度も試作を繰り返したりした結果、生まれたのがこの『乱切り蕎麦』です」(前出・広報担当者、以下同)

 それほど絶品でファンも多いなら、ぜひ全店舗で提供してほしいところ。なぜ、わずか15店舗という限定メニューなのだろうか。

「機械の都合上、一度に3人前までしか作れないのと、注文してから製麺するための時間がかかるといった特性上、都心や繁華街で、お客様が多く、スピーディーな提供が優先される店舗に導入するのは難しい状況です」

 そばチェーン店ならではの“スピード提供”を維持するため、泣く泣く店舗を絞っているという。気になるのは、今後の店舗拡大の可能性だ。私の街の富士そばにも、やってくる日はあるのだろうか?

「現時点で具体的な拡大計画はございませんが、店舗からの希望や、条件、環境が整えば、新たに導入する可能性は十分にございます」

 手間ひまを惜しまない、富士そばのこだわりが生んだ究極の一杯。もし近くの店舗で見かけたら、迷わずその“異次元のコシ”を体験してみるべきかも!?