「皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要」
7月1日付の読売新聞朝刊は、社説《「旧宮家」へ皇統が移る恐れも 女性・女系を排さず議論し直せ》の中で、このように主張している。
秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまが生まれる前年の'05年11月、皇位継承のあり方を検討してきた小泉純一郎首相(当時)の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の報告書にあるように、《皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要な意味を持つ》、今の象徴天皇制において、名前も顔も知らない旧宮家の男系男子を突然、皇族として迎えることに、国民の理解と支持を得ることはやはり難しいと思う。
今年6月、天皇、皇后両陛下はオランダ、ベルギーを公式訪問した。その前に行われた記者会見で、「皇室の縮小が見込まれ、国会では皇族数確保の議論が進められてきました。(略)これまでの議論の受け止めについてもお聞かせください」などと、記者から尋ねられた陛下は、次のように述べている。
「皇室のあり方や活動の基本は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすることだと考えており、こうした皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」
このように陛下は、私たち国民が納得できる法改正になることを望み、そして大変、心配していた。
今回の法律の改正は、陛下や、次の天皇となる皇位継承順位第1位の秋篠宮さまたちが理解し、支持できる内容だったのだろうか。私は、当事者である天皇陛下や秋篠宮さまたちに、ぜひとも問うてみたい気がする。
'24年11月に行われた誕生日会見で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案について質問された秋篠宮さまは、次のように答えた。
「(略)基本的にこれは皇室のシステム、制度に関わることでありますので、これについて私が何かお話しするということは控えることにいたします。
ただ一方で該当する皇族は生身の人間なわけで、その人たちがそれによってどういう状況になるのか、そのことについて私は、少なくとも、(略)宮内庁の然るべき人たちは、その人たちがどういう考えを持っているかということを理解して、もしくは知っておく必要があるのではないかと思っております」
「宮内庁の然るべき人たち」の部分を、今回の法改正を推進した高市早苗首相をはじめとする、「政府・与党の然るべき人たち」と置き換えてみると、当事者の一人である秋篠宮さまの考えや本音が、よりはっきりと理解できる。
天皇陛下や秋篠宮さま、愛子さま、佳子さまたち、皇室を担う当事者たちの声を高市首相らは十分に聴いたうえで、今回の皇室典範の改正を進めてきたのだろうか。私は大いに疑問を感じている。やる気になれば、首相らが水面下で把握することは可能だったはずである。
今年11月の秋篠宮さまの誕生日会見や来年2月、陛下の誕生日会見などで、率直な感想を国民は知ることができるだろう。その日を心待ちにしている。
<文/江森敬治>


















