伝統の一戦でまたしても遺恨が勃発した。ゲーム差なしで迎えた東京ドームでの巨人、阪神の首位攻防戦となった8月13日の3連戦最終戦で、阪神・森下翔太への死球をめぐり、藤川球児監督が強く抗議する場面があった。この指揮官の対応をめぐり、球界OBからはさまざまな声が上がっている。
阿部慎之助前監督は投手陣に対してハッパをかけていた
試合は1回表、二死走者なしの場面で西舘が森下に投じた初球が肩付近を直撃。森下は前日の試合でも井上温大から死球を受けていたことから、藤川監督はベンチを飛び出し、強い口調で抗議した。
選手を守ろうとしての行動ではあったが、これに苦言を呈したのが球界OBたちだ。ラジオで解説を務めていた元巨人の宮本和知氏は「死球はよくないんだけど、あそこまで怒ることはないですね」「いいバッターの証ですよ。プロ野球界というのは、いいバッターにはインサイドを攻めろというのがありますからね」とコメント。また、球界の大御所・広岡達朗氏もニュースサイトのインタビューで、「みっともないから、そうカッカせずにどっしりと構えておけばいい。これだけ打っているのだから、相手バッテリーが厳しく攻めてくるのも当然。それがプロ野球です」と藤川監督をたしなめてみせた。
「3月29日の巨人戦でも、ルーキーの山城京平が1イニングに2つの死球を与えたことに藤川監督はコーチ陣を引き連れて猛抗議。ただ、意図的ではなく緊張感から制球が定まらなかったのは明白だったことから、阪神OB会長の掛布雅之も、『あれはやめてほしかったというのが僕の思いです。もうちょっと余裕を持ってほしい』と眉を潜めていました。ともあれ、7月には広島戦でも死球絡みで警告試合となっており、巨人投手陣の死球数がリーグでダントツに多いことも重なって、ナーバスになったのかもしれません」(スポーツ紙デスク)
一方、藤川監督の抗議は今後の戦いを見越した「パフォーマンス」だったと見る向きもある。
「開幕直前に阿部慎之助前監督は、投手陣に対して『阪神の主軸には全打席当ててもいいというくらいの強い覚悟を持って、徹底的に内角を突いていくように』とハッパをかけ、仮にトラブルになってもベンチが責任を取るという姿勢を示していました。13日の試合も、阿部氏が監督のままであれば、藤川監督の抗議に真っ向から向かっていったはず。
もしかしたら、藤川監督は現在の巨人ベンチが橋上秀樹監督代行の体制であり、強く言い返しにくい状況にあることを見抜いた上で、あえてプレッシャーをかけにいったのかもしれません。巨人OBの高橋由伸氏も、その前の2試合での巨人投手陣の弱気な配球をダメ出ししていたように、阪神の強力打線を抑え込むには内角攻めが必須です。しかし、今回の抗議によって“藤川監督は面倒くさい”というイメージが植え付けられ、巨人を含めた他球団の投手陣がプレッシャーから逃げのピッチングになれば、阪神にとってこれからの戦い方はグッと楽になります」(スポーツ紙記者)
ネット上では「プロなんだから、自分の力量を知って投げるべき」「選手が危険! 藤川監督が怒るのは当たり前」と宮本氏らの見解への反発や、「故意死球でもないのに謝るとかそれでもプロか」という巨人側に立った意見、さらには「藤川監督の抗議はベンチに圧力をかけると同時に西舘投手にフラッシュバックさせて乱す意図も。1戦にかける執念だね」「藤川監督って勝負師だよな。 これ完全に心理戦だよ。気にしたら負け」といった深読みなど、さまざまな声が飛び交っている。
藤川監督一流の“かまし”だったのかは不明だが、今後の阪神戦で各球団がどこまで内角を攻めるのかが焦点となりそうだ。























