次は「買わない脳」につくり替える

 自分に合う貯め方がわかったら、次に取り組みたいのが、そもそもお金をムダに使わないための工夫だ。ポイントになるのが、「お金を使った」という実感を持つこと。クレジットカードやキャッシュレス決済は便利な半面、現金のように財布からお金が減っていく感覚が弱く、つい余計なものまで買ってしまいやすい。

「現金で支払うと、お金が減ることと買い物が同時に起こるので、『支払いの痛み』を感じやすくなります。逆にカードなどでは、支払いと実際にお金が減る感覚の結びつきが弱くなるため、浪費につながりやすいのです」

 使いすぎが気になるなら、現金払いに戻したり、あらかじめ使う金額だけを入金したプリペイドカードを利用したりするなど、「いくら使ったか」が目に見える方法に変えてみよう。また衝動買いをしそうになったときは、欲しいものを目の前にしたまま「買うか、買わないか」と考えるのではなく、買ったあとの現実と、買わずにお金を残した未来を比べてみるのも手だ。

「欲しいと思った瞬間は、その商品を手に入れたよい未来だけを考えてしまいますが、そこで少し立ち止まり、『買ったけれど、ほとんど使っていない』と予想した現実と、『そのお金を残して、1年後に別のことに使っている自分』を比べてみるのです」

 こうして未来と現実を頭の中で比べるだけでも、衝動的な欲求から少し距離を置くことができるという。

 また「せっかくお金を払ったのだから」と、使っていないサブスクなどを解約できないこともあるだろう。すでに支払ってしまい、取り戻せないお金は「サンクコスト」と呼ばれるが、これはいわば「もったいない」という気持ちに縛られている状態。

 過去に払ったお金が惜しいからと、これからも払い続ける必要はない。大切なのは、「これまでいくら払ったか」ではなく、「これからもお金を払う価値があるか」で判断することだ。