「役者を続ける」理由
俳優としての心構えを授けてくれたのは前出の父ちゃん・林隆三さんだ。
「『この世界(芸能界)は浮世離れしているから、自分をしっかり持て』と。僕の信念である『納得いくまでやり通す』というスタンスは、この言葉があったからこそ。僕は自分が売れたいとかではなく、人の役に立ちたいと思って役者を続けているんです。
不動産広告の校正や、イベントの企画運営、そして10年ほど続けている合気道の指導も、誰かのためになることだからと思って続けています」
同じく俳優の妻との間に、5歳、3歳の息子2人がいる。
「彼らが芸能界に入りたいと言ったら、止めはしませんが、厳しい世界ですから親としては複雑に思うかもしれません。でも先日、長男が保育園で、『桃太郎』の桃太郎役を演じたんです。一緒に練習していると、もう、グッときちゃってね(笑)」と、目を細める。
芸歴50年を超す彼が、一つ後悔していることがあるという。『続・たけしくんハイ!』から「たけしの初恋の相手」として出演した後藤久美子と、ある雑誌の撮影でのこと。スタッフに彼女の肩に手を回すポーズを求められたものの、「たけしくん」そのままのシャイさがたたり、触れることさえできなかったという。
「やっておけば、いい思い出になったんですけどね(笑)」
こいそ・かつや 1972年生まれ、埼玉県出身。日本大学芸術学部映画学科演技コース卒業。2歳半で「東京宝映」に入団。大正製薬「ヴイックス ヴェポラップ」のCMでデビュー後、子役として『宇宙刑事シャリバン』(テレビ朝日系)、『愛の滑走路'81』(TBS系)などに出演。1985年『銀河テレビ小説 たけしくんハイ!』(NHK)の主人公のたけし役で一躍人気者に。北野武監督『あの夏、いちばん静かな海。』にも出演。現在は俳優と不動産広告の仕事を両立。
出演情報 ・ユーキース・エンタテインメント製作のプライスレス企画第5回公演『ウィル(will)』 日時:10月28日(水)〜11月1日(日) 場所:東京・アトリエファンファーレ高円寺
取材・文/合田みれい


















