補償金を求めることはできる?
情報漏洩の該当者はタイムズカー側に補償金等を求めることはできるのだろうか。
「今回は、タイムズカー側の過失によって、ユーザーの個人情報漏洩(プライバシー侵害)が生じているため、タイムズカーに対する、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)が成立します。
しかしながら、一般論としては、単に情報漏洩をされたことに対する慰謝料、という場合にはわずかな賠償額しか認められない印象です。一方、仮に流出した情報が悪用されて、何らかの具体的な被害が生じた場合には、多額の損害賠償義務が認められることになります。
そのほかには、本件の情報流出について、タイムズカーの役員ら個人に対する任務懈怠責任(会社法429条)を追求するということも考えられます」
流出した個人情報の中には、すでに退会したユーザーも含まれているというが、退会したユーザーの個人情報を保管していることは、法律上、問題はないのか。
「個人情報保護法上、個人情報の取扱事業者は、必要でなくなった情報を速やかに消去する努力義務を課されています(個人情報保護法22条)。しかしながら、法律上や、アフターサービス、後の紛争予防などの観点から、必要性が認められる場合には、過去の顧客の個人情報を保有し続けることも認められています。
たとえば、一般論として、営利目的の会社相手の取引における債権の消滅時効は5年ですから(民法改正前後問わず)、5年以内に退会した会員の個人情報が保有されていたとしても、直ちに会社側の落ち度とは言えないものと考えられます」
約660万件という膨大な規模で起きた今回の個人情報漏洩問題。該当する可能性があるユーザーは速やかに身を守るための自衛策を講じることが先決だ。
「難しい法律の世界をやさしく、わかりやすく」をモットーに、消費者トラブルや交通事故、借金・離婚・相続・労働問題など、民事事件から刑事事件まで幅広く多数手掛ける。FM NACK5『島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などテレビ・新聞・雑誌等メディア出演も多数。
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