西田さんが何より愛したもの

 地元で愛され続ける一方で、都内にある西田さんのお墓を訪ねると、手入れが行き届いており、きれいな花も手向けられていた。

「この秋にも、きちんとお彼岸の法要を行ったそうですよ」(寺の近隣住民)

 自宅付近でも話を聞くと、

「もう三回忌になるんですね……。生前の西田さんを何度か見たことがあります。晩年は、玄関のドアまでのたった4段の階段すら、上るのが大変そうで……」(自宅の近隣住民、以下同)

 と、西田さんをしのぶ声が聞こえてくる。 

'81年、まだ幼い娘たちを抱っこして、公園でくつろぐ西田さん一家。当時から、仲の良さは評判だった
'81年、まだ幼い娘たちを抱っこして、公園でくつろぐ西田さん一家。当時から、仲の良さは評判だった
【貴重写真】幼い娘を抱いて公園でくつろぐ西田敏行さん一家

「今はあまり人の出入りを見かけなくなりましたが、掃除も植栽の手入れもされているし、ときどき窓を開けて換気もしているようですよ。今も、奥さんや娘さんが暮らしているのかもしれません」

 西田さんが何よりも愛していたのが、妻と2人の娘たちだったという。

「妻の寿子さんは、結婚当初の決して裕福とはいえない暮らしを忘れることはなかったそうです。西田さんの収入が増えてからも、むやみやたらに贅沢をするのではなく、セール品の“掘り出し物”を喜んでいたとか。そのおかげで西田さんは、ただがむしゃらに働くのではなく、本当に心に響くいい仕事をしたいと思えていたとか」(芸能プロ関係者、以下同)

『釣りバカ日誌』や『ドクターX』といった人気作に欠かせない俳優だった西田さん。確固たる地位を築いても、家族の未来を気にかけていた。

「大御所の芸能人が亡くなると、遺産や権利関係を巡る親族間のトラブルが報じられることも少なくありません。しかし西田さんの場合、自宅や所有していた賃貸用のマンションなどは、妻と2人の娘たちがスムーズに相続したといいます」

 そこには、家族への“慈愛”が満ちており、

「自身が亡くなった後も、愛する妻や娘たちが金銭的な不安を抱えることなく、穏やかに暮らしていけるようにという思いがあったのでしょう。自宅は'88年の購入当時で4億円を下らない豪邸。現在の価値もかなりのものでしょう。家族が将来、困らないための“基盤”を密かに固めていたのです」

 西田さんが遺した“贈り物”は、家族を支え続けていくだろう。