いくつかの自治体から“意見書の文案を見せてほしい”と連絡が

「いくつかの自治体から“意見書の文案を見せてほしい”と連絡がありました。草案も共有していますので、すでに実現に向けて動いている議会もあるのだろうと思います。当議会の本会議の様子も動画で公開予定ですので、今後こういった動きは全国的に増えてくるかもしれません」

5月27日、晩餐会で隣の男性と笑顔で会話される愛子さま(宮内庁提供写真)
5月27日、晩餐会で隣の男性と笑顔で会話される愛子さま(宮内庁提供写真)
【写真】「場を照らす光」と絶賛された晩餐会で抜群のコミュニケーション能力と笑顔で接する愛子さま

 7月の改正皇室典範成立時にもその手法が後押しとなったと解説するのは、成城大学文芸学部の森暢平教授だ。

「改正を推進した日本会議のフロント組織にあたる『皇室の伝統を守る国民の会』は全国35府県議会で改正を推進する意見書が採択された旨を報告しています。母体である日本会議が同じ保守系の議員を使って、各地方議会で同じ文面を用いながら各地方の実情に合わせて文面を修正して決議を進めていく、いわば地方から世論をつくろうという組織的な運動で、過去に皇室典範以外にもこういった事例はあります。影響力はかなりありますし、仮に今回も意見書が広がっていけば、当然国政に対してもなんらかの作用はするでしょう」(森教授、以下同)

 一方で、今後の広がりについては現実的な目線も必要だという。

「現段階ではひとつの町議会が単体で動いたという形で、組織性は薄いため、これだけで大きな影響を期待するには疑問が残ります。ただ、この動きとは関係なく、そもそも世論は女性天皇容認派が8割以上と明らかですから、ほかの地方議会でも意見書提出が相次ぐなど組織的な広がりを見せれば、国民感情がさらに高まる可能性はあります」

 女性天皇をめぐる草の根からの国民の声は国会議論の後押しとなり得るか。注目が集まる。

森 暢平 成城大学文芸学部教授。元・毎日新聞皇室担当。CNN日本語サイト編集長を経て、現在はジャーナリズム論を専門とし、近代皇室の社会史などを研究。著作には『天皇家の財布』(新潮社)『天皇家の恋愛』(中央公論新社)など