虫よけ
 害虫を寄せつけないとして、スーパーやドラッグストアなどでよく売られている空間虫よけ剤。実は先日、これらの商品に消費者庁が“待った”をかけた。

「CMもよく流れていましたし、ウチでもベランダにつるして使っていました。それなのに、今回のニュースを聞いて“えっ、ウソなの!?”って、ビックリしました」(使用していた主婦)

 2月20日、ベランダや玄関などにつるして使用する空間用虫よけ剤の表示の根拠が不十分だとして、消費者庁はアース製薬、フマキラー、大日本除虫菊、興和の4社に対して景品表示法違反で表示変更の措置命令を出した。

 それぞれの商品は『バポナ虫よけネットW』『虫よけバリア』『虫コナーズ』『ウナコーワ虫よけ当番』などで計30商品が対象。屋外でも屋内と同じような効果があるように誤解される表現が問題となったのだ。

 なかでも『虫コナーズ』シリーズは、五月みどりなどが扮する主婦3人が、歌に合わせてひょうきんに踊るという人気CMを思い出す方も多いだろう。

 本当に虫よけシリーズには効果がないのだろうか?

「商品の表示に根拠がないというだけで、その商品に効果があるのかを評価したわけではございません。今回に関しては、商品を屋外で使用する方法の記載として、風の強さや気温の低下などの自然環境により、効果が低下する可能性を記載していなかったことなどが景品表示法違反にあたり、今回の措置に至ったということです」(消費者庁)

 どうやら、商品の効果自体にではなく、商品パッケージなどの表示に誤認されるような文言があったことが問題だったよう。

 前述した企業のひとつであるフマキラーの広報部は、

「商品の表示については、誤認を生じないよう使用方法の表現をわかりやすく記載する、また使用環境の変化による効力低下の可能性について注釈を記載する、などの訂正を完了しています」

 他の3社からも同様の回答が届いた。景品表示法に詳しい『薬事法広告研究所』の稲留万希子氏はこう語る。

「今回の場合、景品表示法の中で、商品が実際よりも優れていると消費者に誤解させる優良誤認にあたります。ただ、消費者庁は合理的根拠を求めるのですが、認めさせるのは至難の業なんです。今回のような空間を評価するような商品に関して、消費者庁が納得する根拠を出すことは、まずできないでしょう」

 さらに、稲留氏は近ごろの商品広告に対して、こう苦言を呈す。

「似たような製品が並んでいると、差をつけるために、商品宣伝のうたい文句がエスカレートしがちですね」

 では、消費者はどんなポイントに気をつけるべきか。

「ダイエット用サプリメントを例に挙げるとわかりやすいのですが、“飲むだけで”“絶対に失敗しない”“誰でも楽々”といったキーワードには要注意です。飲むだけでやせるなんてありえないです。うまい話には裏があるので、そのような広告は、まず1度、疑ってみてほしいですね」(前出・稲留氏)