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 女性皇族の就職は、天皇・皇后両陛下の長女・紀宮さま(黒田清子さん・47)が、“先鞭”をつけられた。

「ささやかでも、お金をいただいて仕事をさせていただくことは、とても責任のあることだと思います」─。

 '92年に学習院大学を卒業するときの記者会見で、「山階鳥類研究所」の非常勤研究助手として働くことについて、そう述べた清子さん。

 鳥類に関心があった清子さんは、大学時代からこの研究所でアルバイトをして結婚までの約13年間、勤務された。

「女性皇族である清子さんは、民間人と結婚すれば皇籍を離脱して一国民として生活をされることになります。

 美智子さまも一般家庭の出身者として、そのような感覚を清子さんに持っていただきたかったのではないでしょうか」

 と、清子さんが働き始めたきっかけについて話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。

 おばにあたる清子さんを「ねぇね」と慕い、“お手本”とされていたのは秋篠宮家の長女・眞子さまだ。

 国際基督教大学(ICU)時代は学園祭で、所属していたスキー部が出店した焼き鳥店の接客をされたこともある。

「大学内で募集した時給800~900円ほどのプールの監視員のアルバイトをされていたという報道もありました」(皇室ジャーナリスト)

 この春から、「東大総合研究博物館」の特任研究員に採用され、週に3回程度の勤務が始まっている。

 東大の資料などによると、特任研究員の時給は「上限号俸」が8250円という破格の額が記されているが、大学関係者はこう説明する。

「上限号俸というのは最高額のことで、よほど高度で専門的な研究に貢献しないとありえません。眞子さまは、時給1200円前後から始まるのではないでしょうか」

 現在、ICUに在学中の妹の佳子さま(21)もアルバイトを始めるかもしれないが、例えば「家庭教師」などをされたらちょっとした騒動になるかもしれない。

「大学のホームページによると、家庭教師の時給は2000~2500円が相場だそうですよ」(ICU関係者)

 学生時代のアルバイトは「社会経験」が主な目的だと思われるが、皇太子さま(56)も学習院大学時代に経験されている。

「卒業間近の'82年に、入学試験の『試験監督』の手伝いなどで4200円の日当を受け取られたということです」(学習院関係者)

 皇太子妃雅子さま(52)も、ご成婚前の米・ハーバード大学時代に、時給6ドル(当時の換算で約1400円)で、日本歴史学の研究助手としてアルバイトをされていたという。

 両陛下をはじめ皇族方が、就職以外で収入を得る手段として、著作の「印税」がある。

「両陛下をはじめ、皇族方は著作を発表されている方も多く、印税などもお受け取りになることは可能です。

 『内廷費』『皇族費』以外の所得に関しては一般国民と同じように課税対象となります」(山下さん)

 天皇陛下(82)も、皇太子時代に『日本産魚類大図鑑』でハゼについて共同でご執筆。平成になってからも『日本産魚類検索』の一部を執筆されているので、「一定の印税は受け取られていると思います」(宮内庁関係者)。

 皇后美智子さまも、清子さんのために書いた文章を絵本にした『はじめてのやまのぼり』(至光社・'91年)では、印税の一部を「国際児童図書評議会」(IBBY)に寄付し、活動を支えられてきた。

 両陛下にとっては「ライフワーク」の一環から、得られたささやかな「収入」といえそうだ。