国立西洋美術館が、7月中に世界遺産に正式決定されることが濃厚だという。国内では20番目となる世界遺産の誕生を記念して、美術館や博物館の魅力をシリーズで徹底紹介。今回は、死ぬまでに見ておきたい博物館の常設展をアート通有名人に聞いてみた。
“美術館と博物館の違いって?”案外、即答できる人は少ないはず。文部科学省のホームページによると、博物館とは「歴史、芸術、民族、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し……」との説明が。
実は、美術館も広い解釈では博物館の一種。“より何でもアリ”な展示が博物館ということに。
■日本の美術の流れがバッチリ 通称“トーハク”
「やっぱり上野恩賜公園内にある、東京国立博物館。通称“トーハク”ですね」(美術ライターの浦島茂世さん)
あえて、王道を挙げるならばここだという。
「半日、常設展をちゃんと見たら、日本の美術の流れがバッチリわかります。埴輪、土偶の時代から始まり、平安の掛け軸、江戸時代の印籠……などが続き、明治時代でフィニッシュ。とにかく展示数が膨大なので、何かひとつはお気に入りが見つかると思います」(浦島さん)
洋画家としても活躍するタレント・城戸真亜子さんもオススメする。
「国宝級の作品がいっぱいです。長谷川等伯の『松林図屏風』(国宝)はものすごく好きな作品です」
そしてタレント&モデルのはなさんも、博物館ファンであり、トーハクファンのひとり。
「私は仏像が大好きなのですが、仏像展の開催が多いトーハクに行く確率はどうしても高くなります。展示がいいのはもちろんですが、外観に趣があって、中も重厚な作り。いちばん好きな博物館です」
また、知る人ぞ知るオススメスポットだと教えてくれたのが、
「トーハクの敷地内にある表慶館。左右にドーム屋根のある美しい建物です。以前、ハイブランドのジュエリー展を見に行ったのですが、すごく雰囲気とマッチしていて素敵でした!」(はなさん)
■“タイムスリップしたみたい” 江戸東京博物館・江戸東京たてもの園
続いて、はなさんがオススメしてくれたのは江戸東京博物館。
「東京の歴史が楽しく学べます。入ってすぐのところに江戸時代の“日本橋”の実寸大のきれいな太鼓橋が架かっていて。タイムスリップしたような感覚が味わえます。そして、江戸の街並みが再現されたジオラマはすごいです! 感動します。外国人観光客が多いんですが、日本人でも意外と知らない歴史が垣間見られて、面白いですよ」
同じく江戸時代でも、建物に特化しているのが江戸東京たてもの園。
「東京でも郊外の小金井市にあるんですが、敷地が広大。“よく建物を移築できたなぁ”と感心します。昔の薬屋さんや銭湯があったり当時の街並みを再現したストリートも楽しいです」(はなさん)