それがGmailでは昔から使われている一種の裏ワザともいえる「メールエイリアス」という機能です。Gmailでのメールエイリアスにはいくつかの方法があるのですが、ここではいちばん知られている方法をご紹介します。

 たとえば、Gmailで「toyokeizaitaro@gmail.com」というメールを取得したとします。このメールアドレスにメールエイリアスを作るためには、設定すら不要なのです。

 あるECショップでメールアドレスを登録するとしましょう。話を混乱させるかもしれませんが、そのECサイトがかばん屋ひまわりだったとします。

 この場合、「toyokeizaitaro+himawari@gmail.com」というメールアドレスを勝手に作って、このメールアドレスでECサイトに登録してしまいましょう。「@gmail.com」の前を、「本来のアドレス+任意のアルファベット」にするだけです。

「別アドレス」に見えて、本当は同じアドレス

 エイリアスは直訳すると「別名」。本体とは別の名前をつけることで運用をしやすくするために作るものです。ウィンドウズで言えば本体のファイルとは別に本体を呼び出すために作る「ショートカット」と同じようなものです。

「toyokeizaitaro+himawari@gmail.com」宛に出されたメールは、Gmailでは特に何もしなくても「toyokeizaitaro@gmail.com」という本来のメールアドレスに届くのです。つまり、メインで使っているメールアドレスが流出するリスクが減るだけでなく、迷惑メールが届いてしまった場合も宛先から流出元の見当がつけられるのです。

 最後に軽くまとめておきましょう。

・世界でいちばん普及しているので対応しているサービスが膨大

・セキュリティ対策が十分

・別名メールの運用が簡単

 ということで、絶対にグーグルアカウントを取得したくないという人でもないかぎり、Gmailを使わない理由はないといえるでしょう。


《著者プロフィール》にしたにまさき ●Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、第5回WebクリエーションアウォードWeb人ユニット賞受賞。著書に2010年11月に単著「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」など共著も多数