「悩んでる人って、暇なんだよな」

 新刊『一翔両断!!』の中で放たれている、自身の経験をもとにした哀川の言葉の数々は、現代社会に悩みを抱える読者の背中を押す力にあふれている。が、しかし、彼はこうも言う。

「悩んでる人って、暇なんだよな。暇だから、悩むわけ。例えば、子どものことで悩んでるっていうなら、もうちょっと家事をやるなり忙しくすればいいのに、そういう人に限って部屋が汚かったりする。やることやってないから、暇だし、悩むんだよ。“悩んでて、夜も寝れないんです”って人は、寝なきゃいいじゃん(笑)。ずっと寝なけりゃ、そのうち眠くなって寝るから。

 みんな余計なこと考えすぎなんだよ。だいたい問題だって何か起きてから対処すればいいのに、みんな何も起きてないのに心配するでしょ。それじゃ疲れちゃうし、まだ起きてないから大丈夫だって。だから、悩んでるときは“あ、私、暇なんだ”って思ったほうがいいよ」

“熱い男”という、これまでのイメージとはかけ離れた、柔軟性に富んだお答えがなんだか意外⁉ しかしそこには、修羅場をくぐり抜けてきた男ならではの謙虚さと優しさがみて取れる。

 そんな哀川が、あえて、悩んでいる人に伝えたいこととは─。

「なんの本でもそうだけど、その1冊の中に絶対1行は自分に刺さるところがあるんだよね。俺は、それが本との出会いだと思う。

 映画もそうだね。どんな、どうしようもないといわれている映画でも、どこかワンシーンは心に刺さる。その1行、そのワンシーンで、けっこう人生が明るくなったり、変わったりするから。みなさんが今回の俺の本で、そういう1行にぶち当たってくれたら、うれしいね」

 これこそ、まさに心に突き刺さるひと言!

<プロフィール>
あいかわ・しょう 1961年、鹿児島県生まれ。『一世風靡セピア』の一員として『前略、道の上より』でレコードデビュー。長渕剛主演のドラマ『とんぼ』(TBS系)や映画『オルゴール』での新人らしからぬ存在感が認められ、一躍脚光を浴びる。その後、東映Vシネマで、たて続けに主演を務め、ヒットシリーズを連発。現在はドラマ、映画、またバラエティー番組でも独自の存在感を発揮し、活躍中。

<書籍紹介>
『ブレずに生きれば道は拓ける! 一翔両断!!』
(KADOKAWA/角川マガジンズ刊 1500円+税)
芸能生活31年、55歳になった哀川翔の人生訓をまとめた一冊。「仕事」「男と女」「子育て」など、複数のジャンルごとに哀川の名言をビッシリ収録!