険しくなった柏崎刈羽原発の再稼働への道のり

 九州電力川内原発がある鹿児島県では7月、原発一時停止を公約に掲げた三反園訓知事が誕生したばかり。原発立地県で立て続けに再稼働慎重派知事が生まれたことになる。知事に原発再稼働を止める法的権限はないものの、電力会社が地元の同意を得ずに再稼働することは考えにくく、安倍政権の思い描く再稼働へのシナリオは修正を迫られる。

 地元記者の話。

「3期務めた泉田裕彦知事を主に支えてきたのは自民・公明だった。ところが泉田知事は原発再稼働をめぐっては厳しい姿勢を貫き、県内でも公然と“原発No.!”の声が上がるような空気が醸成されていった。そんな泉田知事が急転、4選不出馬を表明したことで、県議会で過半数を占める自民党がコントロールしやすい知事を担ぐチャンスが来た。そこに慢心があった」

中越沖地震による火災で煙を上げる東電柏崎刈羽原発='07年7月(第九管区海上保安本部提供)
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 総出力約820万キロワットと世界最大の柏崎刈羽原発は現在、6、7号機が原子力規制委員会の安全審査中だ。早ければ来年前半にもゴーサインが出ると見込まれていた。1基あたりの稼働収益は年間最大1000億円と試算されるため、2基約2000億円の収益が飛ぶことになる。

 米山氏は原発再稼働に慎重だった泉田知事の路線を継承するとしている。想定される道のりは険しい。

「まず県独自に'11年東日本大震災で福島第一原発事故を招いた原因を徹底的に検証することが大前提になる。そのうえで原発が被災するさまざまなケースを考慮し、たとえ厳冬期の大雪の真夜中でも避難手段が確保されなければいけない。甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤の配布方法の確立なども求められるだろう」

 と前出の地元記者は話す。