生野菜の食中毒に効果的なドレッシングとは

 給食や外食で提供される料理は、安全であると信じて食べるしかないが、家庭で作る場合は、自己防衛できる。

 池亀氏が具体策を解説する。

「(肉については)やはり加熱をしっかりするしかない。家庭ではいちいち温度なんか測っていられないでしょうから、ハンバーグなどは赤みがなくなり茶色くなっていることを確認する。竹串を刺して肉汁が透明になっているかを確認するという基本的なことが食中毒にならないためのポイントといえるかもしれません」

 食中毒の原因というと肉や貝類などが思い浮かぶが、生で食べる野菜も案外怖いという。2011年、ドイツの有機農場で育てられたスプラウトが原因で、16か国に被害が拡大。3941人が症状を訴え、52人が死亡した。

「このときの菌はО-104という非常に強力な新型の大腸菌で、子どもや高齢者が亡くなることが多いО-157と違い、健康な成人が多数亡くなりました。世界的に見ると、野菜の食中毒は多いんです」

 と前出・池亀氏。野菜の食中毒を避ける方法について、

スプラウトやカイワレは泥もなく一見きれいに見えますが、菌で汚染されている可能性があるので調理前に流水できれいに洗うことが予防のひとつ。

 生野菜で食べる場合は、お酢を使用したドレッシングを使用するのは絶大な効果がある。お酢はわさびなどと違い即効性があります。野菜全体に行き渡るようによくかき混ぜることが大事です

 都内の保育園に勤める30代の女性調理師は「保育園は当然だけどすっごい厳しい。揚げ物なんかは75度1分が基本だけど、85度1分で5個に1個は中心部の温度を測る。人の命につながることだから本当に気をつけてる」と話す。

 たとえ面倒であっても、基本的なことをしっかりと行うだけで食中毒のリスクはグンと抑えられる。愛する家族を危険にさらさないためにも手間を惜しまないことだ。