「生活苦にあえぐ保護者から無理やり回収することはない。そもそも就学援助制度の利用をすすめている」(同担当者)

 同市の公立小・中学校の給食費は月額4500〜6000円程度。就学援助制度を使えば、小学生の給食費は全額支給され、中学生も半額支給される。生活保護世帯には全額支給されるため、経済的余裕があるのに支払っていない悪質な保護者が少なくないとみられる。

 大阪市に先行して、滞納給食費の回収業務を弁護士に委託した自治体がある。東京・練馬区だ。

小学生と給食を食べる大阪府の橋下知事('08年当時)。大阪市長時代には、給食を「エサ」呼ばわりした中学生がいると聞き激怒

「'14年にテスト運用し、翌年から本格実施しています。学校は、生活が苦しくないのに給食費を払っていない家庭を把握している。未納連絡、督促と段階を踏んで、学校長が法的措置の可否を判断しています」(練馬区・施設給食課)

 弁護士に業務委託する直前の'13年度に発生した新規未納額は約260万円だった。委託後は、'14年度が約119万円、'15年度が約118万円と半分以下に減った。

累積の滞納総額はおおよそ500万円です。'14年に発生した未納は現在約50万円まで減りました。でも、幅広くビシバシと取り立てているわけではありません」(同課)

 悪質な保護者には弁護士を使ってプレッシャーをかけているものの、本当はそこまでしたくないのが本音だろう。

 こうした悩みとは無縁の自治体もある。栃木・大田原市は'12年10月から市立小・中学校の給食費が無料になった。

「市長の公約の一丁目一番地でした。本年度の給食費総額約2億7000万円はすべて市費でまかないます。痛みがなかったわけではありません。職員数を減らす行財政改革を行い、内部で切り詰めて財源を捻出しました」(大田原市・教育総務担当者)

 同市が今年調査した保護者アンケートでは、89%が給食無料の継続を望んだという。3年前のアンケートでは「生活費が助かります」という声が多かった。今年は「子どもの学用品購入や部活動に使っています」など、浮いたお金を子どもに使っていることが確認できたという。