強さの中に脆さがある。主演・柴咲の魅力

柴咲コウ 撮影/廣瀬靖士

「初めNHKからお話をいただいたとき“はい!”と即答したかったんですけど、大人の事情もあり、検討させていただきます、とお答えしたんです(笑)」

 満を持して第5話から本格的に登場する柴咲コウ。意気込みをジョークを交えて語りつつ、子役から受け取ったものをこう話す。

「リハーサルでも美羽ちゃんのお芝居、おとわとしてのあり方みたいなものを見せてもらいました。同じ人物を演じるということで、どんな幼少期を送ったかを私自身も意識していました。

 物語の序盤、本当におとわちゃんがかわいいんです(笑)。ほがらかで姫っぽくないところがすごく魅力的に映ると思います。リアクションが大きくて、驚いたり叫んだり、泣いたりしているんですけど、大人になってもそういったちょっと可愛い部分を持ち続けたいと思っています」

 意外なことに、この作品が柴咲のNHKのドラマ初出演&初主演となる。さまざまなドラマや映画に出演してきた、彼女の演技を見てきたという岡本CPは、

「強さの中に脆(もろ)さもあって、柴咲さん自身、単色のわかりやすさではなく、繊細なところまで表現される、実力派の女優さん。

 あと、ご自身も虎っぽいというか大型猫科動物っぽいといいますか(笑)。そんなしなやかさがご本人の中にあって、名前の感じからもぴったりだと思いました」

 また、歌手としても活躍している彼女ならではの“演出”も考えていると、森下氏は話す。

「おとわが出家して名乗った次郎法師。私は彼女がお経を上げる様子を、“歌うようにお経を読む”とト書きに書きました。ひとりの人間が毎日お経を唱えているうちに、それが自然と歌になってしまうのはありえるかなと。柴咲さんは歌もすばらしい方なので、エンターテイメント側としては、せっかくだから歌ってもらおうと考えますよね(笑)」

 柴咲演じる直虎を取り巻く、バイプレーヤーにも実力派の俳優たちが結集。彼女を優しく見守る井伊家の当主であり、父親の直盛を杉本哲太。気丈でしっかり者の母・千賀には財前直見。自身の“両親”について柴咲は、

「お父さんの直盛さんは本当に優しくて、こんな人が旦那さんだったらいいなと思う人物。演じている哲太さんはプライベートでお会いしたことがあったんですが、共演は初めてです。でも、直盛さんと同じように優しくて、安心してお芝居させていただいています。

 お母さんの千賀さんは、おとわと一卵性母娘みたいな部分がありますね。財前さんは以前、先輩後輩という役柄で共演させていただきまして(笑)。全然違和感なくやらせていただいています」