今後の行方が注目される日韓関係
韓国と日本の慰安婦問題合意に反対すべく、韓国の市民団体が2016年12月28日、釜山の日本領事館前に慰安婦像を設置。合意後も止むことのない慰安婦像設置の動きに、韓国国内に目を向けているだけでは不十分だとフィフィは指摘する。

「“慰安婦像”が建てられた背景には、朴槿恵政権の弱体化があるのでは…」

 今回“慰安婦像”が建てられた要因のひとつには、現在の韓国の政情があげられるんじゃないかな。第三者の私が言うのもなんですが、いまの韓国は、経済的にも良い状態ではありません。そこにきて、日韓のあいだで摩擦を起こしていけば、観光ひとつとっても、韓国を訪れる日本人観光客が減ったりと、韓国にとって良いことはないわけですよ。だから、一部の市民団体が勝手にやっているというのであれば、本来、韓国政府は厳しい姿勢をとらなければならないはず。

 だけど韓国では事実上、大統領が捕まっているし、慰安婦像設置に対してお咎めをできる状態じゃない。そこまで手が回らないわけ。そうした朴槿恵政権の弱体化しているタイミングをあえて狙っているなという印象を受けました。

 高須克弥先生もTwitterで“韓国政府が「日韓合意に基づき日本人が不快に思う売春婦像の生産と展示を禁止する」と布告すればすむことですよ。国家間の約束なんだから関連団体との協議は不要です。”(1月9日Twitterより一部抜粋)とおっしゃっていたけれど、私もこれに同意で、普通は市民団体対政府というのはおかしな構図。

 本来だったら韓国政府が指導しなければならないわけで、日本政府が韓国の市民団体に直接何かすることはできません。そこで抵抗の姿勢として、長嶺駐韓国大使らを一時帰国させたんじゃないかな。

 そして、私が今回の件で驚いたのは、日本政府がこうした極めて厳しい姿勢をとったこと。この背景には、慰安婦問題を収めようと、2015年に朴政権とせっかく合意を結んだのに、次の政権ではあっさりとそれが崩されるのではないかという日本政府側の危惧があるんじゃないかと思います。