トランプ氏のような国内の鬱憤を受けて立つリーダーが、どの国で現れてもおかしくない時代だからこそ、来たる新政権にプレッシャーを与えるため、いまのうちに厳しい姿勢をとっておこうという狙いがあるように感じました。

「本当に重要なのは、海外に設置された慰安婦像への対応」

 今回は、韓国国内に設置された慰安婦像が問題となりましたが、アメリカなど海外に建てられているものについても(*編集部:このほかオーストラリアやカナダにも設置されているという)、日本はもっと厳しい態度をとっていく必要があると思います。韓国は、ロビー活動、日本に対するネガティブキャンペーンが本当に上手ですから、日韓のあいだの歴史、事情を知らない国の人たちは、韓国側の主張を信じてしまい、悪い印象を日本に対して持ってしまう可能性も大いにあり得ます。

 それこそエジプトなどに建てられれば、多くの人は日韓関係を知らないですから、鵜呑みにしてしまい、歴史認識の塗り替えが起きてしまう可能性がありますよね。慰安婦問題という歴史そのものが曖昧ななかで、一方の主張を鵜呑みにしてしまうのは危険なことですよ。

 日本はロビー活動や発信することが下手だから、歴史認識すらもやられ放題になっているところがあります。韓国国内にばかり目を向けるのではなく、むしろ海外にある慰安婦像に対して早急な対応をする必要があるんじゃないかな。

《構成・文/岸沙織》