100万円あったら何に使いますか

森永卓郎さんの場合

「間違いなく、個人型確定拠出年金(イデコ)です。残念ながら、私は今年で60歳になるので、もうできませんが(笑)。

 イデコでどんな運用をするかは、その人の人生観や資産状況によりますが、私だったら世界の株式に分散投資! そんな投資信託を買うでしょうね。

 そして、イデコで浮いた税金を、ふるさと納税に回して特産品をゲットします。私、実はものすごくやってるんですよ。最近よかった返礼品? 宮崎県都農町のうなぎかな。あれは、すごくうまかった(笑)。

 ただ、イデコで積み立て・運用したお金を受け取れるのは60歳以降です。“それまで待てない”“危ない橋を渡ってもいい”なら、FX(外国為替証拠金取引)かな。ほとんどギャンブルですけど。ただ、競馬や競輪だと胴元に25%くらい持っていかれるけど、FXの手数料は1〜2%。一般の方には絶対オススメしませんけどね。

 今はバブル状態だから日本株は買いません。ただ、日経平均株価が1万円を割ったらいいと思いますね」

山口京子さんの場合

「まず思いつくのが、毎月8万円ずつ、1年かけて分散投資することかな。日本株、世界株、新興国の株、世界の債券で運用している投資信託4銘柄を毎月2万円分ずつ買っていきます。

 “下がったら怖い”と思う人もいるかもしれませんが、一時的なら下がってもいいんです。むしろ、チャンスなんです。下がったときには、同じ2万円でもたくさんの“口数”を買えるわけですから。その後上がったら、とっても得をします。

 2000年以降、リーマンショックもあり、ずっと不景気というイメージが強いけど、この間にコツコツと月に1万円ずつ日経平均株価に連動した投資信託を買っていた場合、80万円は儲かっていたんですよ。

 もうひとつの案は、10万円で買える株を10銘柄買います。配当金と株主優待で3〜4%くらいのリターンが望めるものを選びますね。長く持っていれば、毎年優待品&配当金がチャリンチャリン。株価の一時的な上げ下げに一喜一憂せずにすみますよ」

北村庄吾さんの場合

 節税対策に全額投入投資するなら“ワイドショーの法則”

「一番いいのは、節税効果があるものに、可能な限りお金をぶっ込むことです。個人年金、イデコ……自営業者&小規模企業の経営者や役員であれば『小規模企業共済』がありますね。

 特に自営業者は、イデコの掛け金の上限が会社員よりずっと高く設定されています。会社員の上限は年14万4000円ですが、自営業者は年81万6000円ですから。さらに『小規模企業共済』も組み合わせれば、それだけで余裕で100万円に届いちゃいます。

 節税対策をやり尽くして、まだお金が余るようなら、投資を考えます。配当利回りや優待内容のいい株を買うのもいいですね。NISA(株式投資の非課税制度)もありますし。ただし、売買のタイミングは慎重に見極めます。
 
 僕が買うのは“株価、大幅下落です!”とワイドショーが大騒ぎしているとき。昨年だとイギリスのEU離脱のときなどですね。ガンと下がったので買って、3週間後には上がっていたので売りました。そして、その利益でロードバイクを2台買いました(笑)


取材・文/鷺島鈴香、『週刊女性』取材班



森永卓郎(もりなが・たくろう)◎経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。専門はマクロ経済、雇用対策。『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)、『がっちりマンデー!!』(TBS系)レギュラー。バラエティー番組でも活躍中

山口京子(やまぐち・きょうこ)◎ファイナンシャルプランナー。家計簿から保険、お金を増やす運用まで、女性にやさしいアドバイスに定評が。最新刊に『お金に泣かされないための100の法則』(主婦と生活社)。メディア出演多数

北村庄吾(きたむら・しょうご) ◎社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー。年金や医療保険など、社会保険制度問題の評論家としても活躍。近著に『人生を左右するお金のカベ』(日本経済新聞出版社)