1月28日と29日の2日間、紀伊國屋ホールで行われた『盛岡文士劇』の取材会で脚本家の内館牧子が「自分が書くときは長いセリフを使いますが、いかに大変かわかりました。女優にはなれないと思いましたね」と語った。

「『文士劇』とは、小説家や演劇評論家など、ふだんは表に立たない人が俳優となる演劇のこと。かつて文藝春秋社が主催した文士劇では三島由紀夫などの流行作家が登壇し、人気でした」(演劇ライター)

 『盛岡文士劇』は毎年、岩手県盛岡市で行われ、東京での上演は、実に40年ぶり。

「セリフがすべて盛岡の訛りなんです。盛岡市のアナウンサーも出演しているのですがふだん東京で生活している内館さんたちは大変だったと思います」(前出・演劇ライター)

 彼女をねぎらうように小林旭や井上陽水など、多くの著名人から楽屋に花が届いていた。そんな中、ひときわ目を引いていたのは、ジャニーズ事務所からのもの。

大きな花だけではなく、そこにたくさんのカードがくくりつけられていて。すべて直筆メッセージだったんです」(観劇した女性)

 東山紀之、岡本健一、TOKIOの松岡昌宏、V6の三宅健と森田剛、タッキー&翼の2人、嵐の松本潤、山下智久、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔と、豪華な面々がメッセージを添えていた。

三宅さんは《徳子役の盛岡弁いかがですか? 僕も津軽弁を喋った「私の青空」を思い出します》と方言の難しさを慮り、東山さんは《女優業はいかがですか? 楽しんで下さい!》と気遣っていました」(前出・観劇した女性)

 ジャニーズの所属タレントが誰も出ていないのに、手書きのメッセージを送るのは珍しいこと。その背景には内館とジャニーズ事務所の間に、ひとかたならぬ絆があったのだ。

「彼女はジャニーズ事務所が東日本大震災後に立ち上げた復興支援プロジェクト『Marching J』で評議委員を務めています。今回メッセージを寄せた東山さん、山下さん、藤ヶ谷さん出演の'07年の新春ドラマ『白虎隊』(テレビ朝日系)でも脚本を書きました」(芸能プロ関係者)

 '15年に35周年を迎えた近藤真彦のコンサートにも訪れており、両者の関係は深い。

故・森光子さんもジャニーズの舞台やコンサートのたびに花や手紙を差し入れていたそう。内館さんもジャニーズにかぎらず、脚本を手がけた現場の役者やタレントにはお茶や大福、いなり寿司などを差し入れています。今回はそのお返しだったのでしょう」(前出・芸能プロ関係者)