「画期的な決断です」

 弁護士や社会福祉関係者らでつくる市民団体『生活保護問題対策全国会議』(大阪市)は小田原市に再発防止を求める文書を提出した。

 同会事務局長で日弁連・貧困問題対策本部事務局次長を務める小久保哲郎弁護士は、「学生のサークル活動のようなノリですよね。なぜ、これほど長いあいだ問題視されなかったのか」と話す。

 小田原市の姿勢は改善されるのか。同市は一連の問題を検証するため、有識者らを交えた検討会を開く。そのメンバーについて評価できる人選があったという。

「元生活保護受給者が選出された。これは画期的な決断です。当事者は言われっぱなしで、意見を聞いてもらえることはまずありませんでしたから。大きな一歩前進ととらえています」(小久保弁護士)

 同市には8日現在、計2143件の意見が寄せられている。市に批判的な意見が1115件。「いまから殺しに行くから待っとけ」と犯行予告まがいの電話もあった。「不正受給を許さないという立場は間違えていない」などと市を擁護する意見は973件。「ジャンパーを売ってくれ」「どこでつくったのか」などと脱線する意見も55件あった。

 一方、市内の生活保護受給者からの意見は「それが1件もないんです」(前出の栢沼課長)という。言いたいことを言えないのかもしれない。言う気力がうせているのかもしれない。声なき声に耳を傾ける姿勢が求められる。