セックスレス夫婦が大増加! 少子化を問題視する声もあるが、「しないほうが普通」「なにか問題でも?」というのが多くの中高年世代の率直な意見なのでは。夫婦間のセックス問題に詳しいカウンセラーは「レスでも仲良くいられる方法はあります。ムリにしなくても全然問題はない」と語る。
結婚していてもまったくしない人が5割近くに
セックス頻度に関する世界調査で、安定の最下位を誇る〈セックスレス大国〉日本。それを裏付ける最新のデータが発表された。
2023年10月、20~50代の既婚男女4000人を対象にアンケートを実施したところ、68.2%がセックスレス傾向という結果に。これは〈ややセックスレス〉〈セックスレス〉という回答を合わせた数字で、そのうち完全なセックスレスと答えた人は、43.9%。結婚していてもまったくセックスしない、という人が、5割近くに上るのだ。
セックスレスの割合が急増するのは30代から。20代では約5割がセックスレス傾向だが、30代になると7割に増加。40代で7割を超し、50代に至っては約8割がセックスレス傾向にあった。
「世代を問わず、日本人全体がセックスレスの風潮にあることは確か。10年前の調査では50代の7割以上がセックスレスでした。それが今回の調査では8割となり、セックスレスの夫婦はますます増えていると感じます」
と話すのは夫婦仲アドバイザーの三松真由美さん。
「女性は40代以降、〈セックスはもう卒業〉と思う人と、〈これからまだまだセックスを楽しみたい〉と思う人に二極化し始め、50代でこの傾向がさらに強まります」(三松さん、以下同)
夫が極端に淡泊で性欲がないケースもあるが、ほとんどの場合、妻が二極のどちらに傾くかによって、セックスレス夫婦になるかどうかが決まるとのこと。
「今の中高年女性は、バブル期に10代~20代だった世代。当時はトレンディードラマ全盛期で恋愛至上主義の時代でした。性への好奇心も旺盛で、その精神を保ったまま、年を重ねている人は多いと感じます」
だが閉経を迎え〈濡れにくくなる〉などの身体の変化もセックスレスの大きな要因。
「中高年になると女性だけでなく、男性にもEDなどの問題が出てきます。気持ちのうえでは“したい”が、物理的に“できない”ケースも多いでしょうね」
それで夫婦仲が悪くなるかというと、案外そうでもない様子。アンケートでは夫婦仲についても質問。セックスレスではない既婚者では“良い”“やや良い”が66%に対して、セックスレスの既婚者では57.2%という結果が得られた。
やや下がるのは確かだが、6割近い夫婦がセックスレスでも問題なく仲むつまじいことがわかる。営みの有無にかかわらず、仲良しで過ごせる秘訣とは。
「セックスしたい、スキンシップしたいという気持ちと家族愛は別のもの。ですから、“若いころからずっと家族を支えてくれている”“子育ての重責を共に担ってくれた”といった尊敬や感謝がある人は、セックスがなくても相手を大事にします」