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ー 知って楽しい!おもしろ雑学

 日常の気になる疑問を解決!大相撲の力士が裸にまわし姿なのはなぜ?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.大相撲の力士が裸にまわし姿なのはなぜ?

A.武器や道具を持っていないことを相手に示すためです。(相撲ライター 西尾克洋さん)

 1年間に6回の本場所が開催される日本の大相撲。そのうちの一つの夏場所が、5月11日からスタートした。力士同士の取組を見ていての素朴な疑問……。それは「なぜほとんどが裸なのか」。相撲ライターの西尾克洋さんに話を聞いた。

武器や道具を持たずに、不正なく正々堂々と戦うことを示すためといわれています。またその結果、まわしをつかむことで攻防が生まれ、寄りや投げなどの相撲特有の技が存在することにつながりました」(西尾さん、以下同)

 相撲の歴史とも深く関係しているのがこの格好。

相撲の最古の資料は日本書紀・古事記とされています。しかし、その前の古墳時代から、まわし姿の力士をあしらった“はにわ”があったそう。そんな大昔から、すでに今の裸に近い格好が確立されていて、脈々と現代まで受け継がれています」

 娯楽や競技として親しまれている相撲。格好や文化は変わらずとも、変化したものがあるそう。

「江戸時代に入るまでは、色絹などで刺しゅうされたまわしを使用していました。ただ、刺しゅう糸が手に絡むなど、安全面を考慮して改良。それから、現在の大相撲で使われる化粧まわしに」

 取組の前に力士がする、腕を大きく開く動作もまわし姿と近しい理由があるという。

この所作は“塵手水(ちりちょうず)”と呼ばれるもので、これも武器を持っていないことを相手にアピールするという目的があります。また、四股(しこ)を踏み、塩をまき、力水を口に含むのは、邪気を地に鎮めるという意味があります」