沖縄県代表・沖縄尚学の優勝で幕を閉じた夏の甲子園。試合結果以上に注目を集めたのが、広島県代表として出場していた広陵高校の暴力問題。本問題において新たな進展があった。
広陵の暴行問題に進展
「この暴力問題の発端は今年1月。当時1年生だった生徒が寮内で禁止行為を行い、それに対し2年生(当時)の複数人が暴力行為に及びました。事案を認知した学校側は事実日本高野連に報告。暴力行為を行った生徒らは、3月に処分を下された一方で、被害を受けた生徒は転校を余儀なくされました。
警察はこの問題の調査を進めていますが、11月27日に殴る蹴るなどの暴行を加えた疑いで、加害生徒2名を書類送検する方針を固めたとのこと。単なる“いじめ”という言葉では片づけられない事態に発展しています」(スポーツ紙記者、以下同)
当時、広陵から報告を受けた高野連は“厳重注意の措置をした”と説明。しかし、書類送検にまでなる暴行事案を“厳重注意”に留めたことに改めて注目が集まっているという。
「広陵は2回戦への出場を辞退していますが、そもそも高野連は何をもって出場許可という判断を下したのでしょうか。ネット上でも、高野連の“甘さ”を指摘する意見が数多く見受けられます。
暴行事案を受けて、同校の監督だった中井哲之さんは退任し、その息子で部長だった中井惇一さんも同じタイミングでポストを退いています。高野連も内部の体制に変化をもたらす必要がありますし、出場判断の説明を果たすべきではないでしょうか」
広陵が出場辞退を決めたあと、高野連のホームページでは、
《このような事態になったことは大変残念ですが、学校のご判断を受け入れました。
大会主催者として、日本高等学校野球連盟と朝日新聞社は、暴力やいじめ、理不尽な上下関係の撲滅に向けて、引き続き努力して参ります》
と綴っており、寶馨会長は、
《日本学生野球憲章では「一切の暴力を排除し、いかなる差別も認めない」としています。日本高野連、都道府県高校野球連盟、加盟校はこの理念に基づき、日々活動しています。今回のような事案をきっかけに、改めて、暴力を一切認めない姿勢を全国の加盟校に強く求めていきたいと考えています》
とコメントしている。
「“大変残念”というのは、まるで他人事のようですし、“一切の暴力を排除し、いかなる差別も認めない”のであれば、なぜ“厳重注意”という中途半端な処分にしたのでしょうか。
もちろん加害生徒の行ったことは許されるものではありませんが、高野連の対応が異なれば、該当生徒の特定などの事態にはなっていなかったかもしれません。高野連は、書類送検という事態に陥るまでの事案だったということを今一度認識してもらいたいですね」
広陵とともに高野連の体制にも変革が必要なのかもしれない。
















