欧州遠征を終えたラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が、11月24日に帰国会見に臨んだ際、メディアからの質問に対しイライラを隠さない“不機嫌”な対応を見せ、ネット上で物議を醸している。
ラグビー日本代表・姫野とかを選ぶべき
エディー・ジョーンズHCの第2次政権の2年目となった今シーズンは、テストマッチで5勝6敗という成績で終了した。秋の欧州遠征では、世界ランキング1位の南アフリカなど強豪国と4試合を戦い、最後のジョージア戦での1勝のみにとどまった。
スポーツ紙記者は、この成績の裏にあるチームの構造的な問題を指摘する。
「今シーズンは大学生などの若手を積極的に起用し、選手層の刷新を目標としていました。しかし、遠征中にWTB石田吉平、FB矢崎由高、No・8マキシ・ファウルアなど、負傷による離脱者が続出。遠征の後半は、経験の浅い選手が何人もメンバー入りせざるを得ず、チームの選手層の薄さが露呈しました」(スポーツ紙記者、以下同)
この状況に対し、ファンからは《ケガ人が数人出ると一気にメンバーが貧弱になるな》《リーグワンでも全然試合に出てない選手をなぜ…多少パフォーマンス悪くても姫野とかベテラン勢を選ぶべきでしょ》といった不安の声が上がっていた。
この“選手層の薄さ”について24日の会見で記者から質問が飛ぶと、ジョーンズHCはピリピリしたムードに。ケガ人の多さを指摘されると、「筋肉系のケガは2人だけ。どうしたらそういう質問になるのかよく分からない。SNSで言われている話をもとに、そういう見解になっているのでは」と、メディアを“口撃”する場面もあり、不機嫌さを隠さなかった。
特に、来季も若手中心の編成か、ベテラン選手を呼び戻すのかと問われると、HCは強い言葉で反論した。
「ベストなプレーヤーを選ぶまでだ。なぜ呼ばないんだと思う選手がいるなら教えてくれ」と“逆質問”。さらに、姫野和樹、稲垣啓太ら19年W杯代表メンバー数人の名前を自ら口にした上で、自チームで十分なコンディションを維持できていない選手は招集しないと断じた。
気性が粗いことで知られるジョーンズHCの姿勢に対し、ネット上では、《こんなことで荒立っているようじゃボス失格》といった、HCの資質を問う声も。一方で、ファンの懸念はHCの態度よりも、2027年W杯への現実的な危機にも向けられていて、《ほかにいい監督がいないんだろうな》《このままで本当にW杯大丈夫なのか》と、心配の声が寄せられている。
「ファンが危惧しているのは、ジョーンズHCの選考が偏りすぎて、2027年W杯で戦える『テストマッチレベル』の選手が本当に育つのかという点です。今回の遠征で若手は成長したかもしれませんが、トップ4との差は『依然として大きい』とHC自身も厳しく評価しています。このままの選手層では、2015年や2019年の歓喜を再び期待するのは難しいと考えるファンが少なくないのだと思います」
欧州遠征最終戦のジョージアに勝利したことで、12月3日に行われる2027年W杯の組分け抽選会で日本は有利な「バンド2」入りを決め、強豪との対戦が減る可能性が高くなった。この“追い風”のなか、いまの選手選考の方針を来季も貫き通すのか、あるいは姫野や稲垣といったベテラン勢を呼び戻すのか――。
ジョーンズHCの“決断”に大きな注目が集まっている。
















