政府は、無許可営業の罰金の上限を3万円から100万円に引き上げたが……
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「現時点では、具体的な基準を定めた政令がないため、条例を定められないんです。国には各自治体の実情に即した政令を定めてほしいですね」

 と話し、京都の街や文化を大切にしてほしいと続ける。

「旅館などのフロントってとても大切なんです。なによりゲストに対しておもてなしができる。ただ寝起きするだけでなく、ちょっと高いけど、古民家でもフロントがあっておもてなしを受け、いろいろな意味で京都の風情や文化を感じられるような民泊は大歓迎です。当然、許可を取っていただいて」

犯罪の温床になる

 しかし表では温かな民泊事業主を演じるその一方、女性宿泊客を餌食にする裏の顔を持つ卑劣な事業者も。民泊で盗撮被害に遭った女性がいるとの一部報道もあった。

 女性の勤務先の社長が、自宅の空き部屋を宿泊場所に提供していた。その浴室に設置されていたのが、盗撮カメラだ。約2年間、被害を確認できたゲストは100人以上で、女性自身も何度か浴室を利用したことがあったという。

 “民泊先進国”欧米の事情を知る玉井特任教授は、

「欧米では民泊が非常に浸透しているが、さまざまな問題が起きています。売春、監禁、性的暴行、盗難、薬物、盗撮などです。男性の同性愛ホストが男性のゲストを招き監禁した事例もあります。今後、日本でも同じように犯罪の温床に十分になりうる可能性を秘めています」

 と、日本が二の舞いになることを危惧し続ける。

「フランスのパリでは民泊用の部屋が増え、賃貸物件が減少。これにより家賃相場が上昇しました」

 来春、民泊新法の施行で、民泊の規制緩和が進む。民泊の流れは止められないが、既存住人の安全な生活を脅かさない民泊ルールを根づかせることができるのか。

「マンションなどの空き室を利用した投資型民泊には私は反対ですが、日本の文化や生活を体験できるホームステイ型には賛成です。訪日外国人を受け入れることを、受け入れた地域の住民がマイナスに感じてはいけない。地域社会が民泊を抑制するのか、活用するのか、考えることが必要」

 と玉井特任教授は見据え、

「政府は新法で、無許可営業の罰則金の上限を3万円から100万円へ大幅に上げましたが、もっと高い罰金刑や重い刑罰を与えるべきです。一罰百戒ですね。そうすれば違法行為も減るのでは」と話す。

 近隣住民と共存できる民泊が今後広がるのだろうか。