政府は、訪日外国人の数を2016年の約2400万人から、2020年までに4000万人にしたいと目論む
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「民泊」とはうまい言葉だが、これまでプロの領域だった宿泊事業に、個人や素人が参入できるようになったにすぎない。プロとしての意識がないためか、事件は続々と発生している。

 今年6月中旬、新潟県阿賀町の無職の男(73)は、農業体験ツアーで民泊として自宅に泊まっていた10代の女性の身体を触ったとして、強制わいせつの疑いで7月13日に逮捕された。町観光協会が企画した民泊でも受け入れ先の人間性までは保証できなかった。

 民泊を悪用した覚せい剤密輸事件も、6月に明るみに出たばかり。

 東京都目黒区内の民泊マンションに米国から覚せい剤を郵送し、不在票を回収した容疑者が自宅へ転送する手続きを取り密輸を図ろうとした。

 ほかにもゴミの不法投棄、騒音トラブルと、民泊をめぐる問題は後を絶たない。

 旅館業法や特区民泊の許可手続きなどを行う民泊実務集団『TEAM NanatsuBa』の冬木洋二朗代表は、

「よく問題になるのは騒音、ゴミ、セキュリティーの3点。日本のように細かくゴミを分別する文化はヨーロッパではあまりない。キャリーバッグを引く音も夜はかなり響く」

 と、問題点を指摘する。

「結局のところ、しっかり管理されていないことでトラブルが起きる。規制緩和された簡易宿所営業でも、自治体によってはフロントの設置や24時間管理者を常駐させなければならない。そのため旅館業法の基準を満たそうとすれば多額の費用がかかる」と冬木氏。

 日本を代表する世界的観光地、京都。ここでも民泊の苦情が後を絶たない。

 窓口を設置した昨年7月13日からの約1年間で、1442件の通報・苦情が届いたという。

 京都市産業観光局観光MICE推進室は、

「苦情の内容は騒音、ポイ捨て、京町屋では長屋で建物が似ており間違った家に入ってきたりする……。外国人が路上でバーベキューを始めたことがあり、近隣住民が注意しても言葉がわからない。管理者も行政から逃げるために所在を明かさないんです」

 と現状を報告。