子どもの頑張りをほめてあげることが大切

 母親へのアンケートでは「毎日、観察するようなものは子どもが途中で飽きてしまう」という悩みの声もあったが、「叱っても、お互い嫌な気分になるだけ」と前出の親野さん。

「単に子どもが忘れているだけなら“あ! そういえば忘れていたけど今日、観察記録つけたっけ? 一緒にやろう”と、あえて親も忘れていたフリをするのもいいでしょう。やる気がない場合は、親子でプロレスごっこや、くすぐり合いなどのスキンシップでテンションを上げてから、“よし! 一緒に観察しよっか”と言えば、ノッてきたりします」

「お母さんも手伝うから、半分やろう」など、ハードルを下げるのもコツで、子どもの頑張りをほめることにも気を配りたい。

「子どものこだわりを聞き、感心してあげましょう。子どもにとっては好きなことを思う存分やらせてもらえて、さらに親が応援してほめてくれるのだから、これ以上うれしいことはない。親への信頼感が高まり、親子関係もよくなります」(親野さん)

 自分でやりたいこと(課題)を見つけて取り組む力は、今後の人工知能を中心とした技術革新の時代では非常に重要だという。

「上司に言われたことしかできない人間は評価されません。自ら課題を決めて取り組む指導は、学校でもやる必要があります。でも、日本の学校は先生の数が少なく、1クラスの子どもが最大40人なので、個別のサポートができない。欧米は、1クラス最大20人程度の少人数教育なので、個別のサポートもできますが。せめて夏休みには、親子で自由研究に向き合い、“自ら課題を決めて取り組む”力を伸ばしてあげてください」(親野さん)