今や3組に1組が離婚し、4組に1組が再婚するといわれ、子連れでの再婚も増えている。血のつながりが親子であった時代から、再婚によって血縁のない親と子が家族になる“ステップファミリー”の時代へ。「子どもがいても再婚したい」「しかし、子どもにとって幸せなのか」「みんなが幸せになれるのか」……。ステップファミリーを待ち受ける現実と未来予想図は──。

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 バツイチ再婚同士のステップファミリーを描いた映画『幼な子われらに生まれ』が注目されている。「ステップ」とは「継(つぐ)」という意味で、夫婦の一方あるいは双方が、前の配偶者との子どもを連れて再婚したときに誕生する家庭のこと。日本では認知度はまだ1割強であるが、欧米では広く使われていて、パッチワークファミリーともいわれる。直訳すれば「つぎはぎ家族」となる。

“ステップファミリー”を描いた映画『幼な子われらに生まれ』※作品情報は記事の最後にあります。 (c)2016『幼な子われらに生まれ』製作委員会

 自身も3度の離婚、再婚経験がありステップファミリーだった経験もある作家で家庭問題カウンセラーの新川てるえさんは「現在、120万世帯がシングルマザー、ファーザーです。ちょっと前までは離婚したらひとりで子どもを育てていかねばならないという強い責任感と縛りで、恋愛や再婚を躊躇する人が多かったんです。しかし今の時代はシングルマザー、ファーザーも恋愛、再婚に積極的で、ステップファミリーが増えていますね」(以下、会話文はすべて新川さん)

 子どもの気持ちを考えると再婚は慎重にという考え方もあるが、「子どもがかわいそうという考えに私は反対です。親が幸せになれば子どもの幸せにつながっていくと思います。新しい人生を前向きに、つかみ取ってもいいんじゃない」と子連れ再婚を積極的にすすめる。「ただしね、子連れ再婚をすると、子どもだけでなく、再婚した相手の元妻、元妻のおじいちゃんやおばあちゃんの影もついてくることがあるのね(笑)。1対1の結婚とは違って、好きだからという気持ちだけで再婚すると、あとで思ってもみなかったいろんな問題が起き、こんなはずではなかったということがある。だから、どういうことが起こるのかをちゃんと学んでから恋愛をし、幸せに結びつくツレ婚をしてほしいと思うんです」 

 芸能界では竹内結子などがカッコいいシングルマザーとして活躍している。子連れ再婚し、現在の夫との間にも子どもに恵まれた山口もえ(元夫の子2人、現在の夫の子1人)や土屋アンナ(1人、1人、1人)、広末涼子(1人、2人)など、ステップファミリーも多い。離婚がリスクではなくなり、子連れ再婚がしやすくなり、人生の選択肢が広がり、幸せになれる時代になってきているといえるだろう。