STEP2=15分、集中できればOK

 人はどのくらいの時間、集中していられるのでしょうか。大学の授業は1コマが90分、職場では労働時間が8時間。忙しい忙しいと働き続けている人は、8時間も集中して仕事をしているのでしょうか。

「驚かないでくださいね。人が集中できるのは15分と言われています。脳はとても疲れやすい器官で、ひとつの作業を長くは続けられないんです」(冨山先生)

 上手に脳を働かせるには、15分間集中したら、3分のインターバルで休憩し、また15分集中するのが効率的なのです。

 例えば脳を働かせて、集中して物事をやり遂げると、達成感から脳はプラスのエネルギーを生み出し、人間そのものを若々しく元気にします。ところが集中できずに、ぐずぐずしていると、自分はダメな人間だと思ってしまいがちで、気持ちもふさぎ込み、女子力だって低下します。

 脳の特徴をもうひとつ。先ほど、スマホなどが目に入ることで、やる気がそがれてしまうから、まずは環境設定が大事であるという話をしました。そうやって作業と関係のないものは目につかないようにしていても、集中するのに疲れてきた脳は「ストレス回避行動」をとるようになります。机の周辺が気になりだしたり、床の汚れが気になりだしたり。パソコン作業中なら、ついヤフーニュースを見てしまったり……。

 ここで、そっちに引き寄せられてしまったら、集中は完全に途切れてしまいます。気が散りそうになったときの対処法もここで紹介します。

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【7】15分集中したら、また15分を繰り返す

 前述の通り、人が集中できるのは15分。まずは15分だけ、余計なことは考えずに続けてみましょう。それができたら、また15分。こうやって15分区切りで繰り返しているうちに、いつの間にか「集中できる人」に。15分が無理なら、5分でもいいから集中スイッチを入れること。

【8】気分がのらないときは机をコン、コン、コン

 やらなくちゃあと思っていても、気分がのらないのは雑念に邪魔されているから。コン、コン、コンと机を叩き、その音を聞くことで雑念に支配されていた意識を、今やるべきことに戻します。

【9】始める前に雑念を消す首のトレーニング

「上」と思ったら上を向き、「右」と思ったら右を向き、上下左右で3回続けます。なるべく速く、脳の指令どおりに頭を動かし、集中を邪魔する雑念を消すのです。気持ちではなく、行動で脳を動かすのです。

【10】頭を使う作業と身体を使うルーティン作業を交互に行う

 イヤになりながら、ぐずぐずとやっても効率は悪くなるばかり。頭を使う作業に飽きたら、身体を動かすルーティン作業に切り替える。そしてルーティン作業に飽きたら、頭を使う作業を行う。これを繰り返すと効率よく仕事をこなすことができます。

【11】イヤになってきたら、自分の手を見つめる

 飽きてきたら、とりあえず自分の手を3秒間見つめてみて。これで自分の意識を自分でコントロールでき、散漫になりかかっていた意識が自分に戻ってきます。

【12】やり遂げたら、自分へのご褒美を

 何かをやり終え、達成感とともに飲むビールは最高です。美味しい紅茶と好きなケーキを食べたり、ゆっくりとパックをして女に磨きをかけるのでもいいでしょう。脳はご褒美を欲しがる臓器といわれ、「集中して達成すればいいことがある」と脳にわからせてあげると、勝手に集中してくれます。

【13】「やろうと決めたのは自分」ということを思い出す

 やりたくなければやらなくてもいいのです。やろうと決めたのはあなただから、「めんどくさいな」と思ったら、やることはありません。でも、よくよく考えてみて。やろうと思ったのは、何か自分なりの理由があるはず。「何のためにやるのか」を思い出し、自分の目的が見えてくれば、脳は集中してやろうという方向に向かってくれますよ。