洗濯機は人が乗ることを想定して作っていない

 “コインランドリーガール”なる投稿が、今ネットで話題になっている。

 コインランドリーでレトロな写真を撮ろうとしたものだが、これ自体ミュージックビデオやプロモーションビデオにもよく使われる。それをおしゃれと思った人が、後追いして撮影しているのか。

 コインランドリー機器販売のスタッフは、

「洗濯機は、人が乗ることを想定して作ってないと思います。拝見した写真では足をドラムに乗せているものもあるので衛生上よくないです。衣類を洗うものですので」

 “コインランドリーガール”のタイトルで、2010年8月から写真を撮っているカメラマンの堀内慎祐さんがいる。インスタでの“コインランドリーガール”の増殖に、

「もし僕のマネなら、何かしらのインスピレーションを与えられたのであればうれしいですけども、僕なりにモラルを犯してまで撮ることはしないように心がけてきたので、度を越したことをやろうとするのは望ましくない」

 と、きっぱりと釘を刺す。具体的な注意点としては、

「コインランドリーは洗濯する場所で、僕は正規の使用者ではないので、迷惑はかけないようにそこは徹底しています。邪魔にならないような時間を狙って行きますし、雨の日は使う人が多そうだから控えようとか考えていますね」

 行きすぎた撮影が行われれば当然、設置者や他の利用者からも文句が出る。カメラマンもそのことをいちばん恐れ「規制を受けないためにも、モラルは大切にしないといけない」と多くのインスタ利用者に呼びかける。

 前出の落合さんも一連の“コインランドリーガール”について、「一部の人が悪ノリをしてしまった感じですね。バカッター的なことを狙って撮ったのではなくて、この写真おしゃれじゃんって、それで自分も撮ってみたんだと思うんですけどね」と悪意を否定するが、ハミ出しものの存在は無視できない。

撮影が終わると食べずに捨てる人もいる(ツイッターより)
撮影が終わると食べずに捨てる人もいる(ツイッターより)
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 インスタにバカッターの波がこれ以上及ばないことを願う。さらに落合さんは、

「ただ“いいね”が欲しい欲求が過激になって、セクシーどころではないという写真はありましたね。インスタの運営は、そういうものをどんどん削除します。ツイッターと比べると、投稿数も少ないので、過激な投稿がいつまでもあるということはないですね」

 と、バカッター的なものが流行る土壌はインスタにはないとするが、気がかりも……。

「いい写真を撮りたいがためにインスタ映えしそうな食べ物を注文して、写真撮って捨てちゃうということが頻発すると、よくない傾向になりますけど、基本的にはお上品な文化がインスタにはあるので。

 ユーザー数が“どん”と増えるとお行儀のよくないユーザーも増えるとは思いますが、シェアの機能がないので、ツイッターみたいに簡単に炎上とはいかないと思います」

 今後も増加が予想されるインスタユーザー。今はお上品な文化があり、炎上しにくい環境だ。しかし、それが失われた時こそインスタの真価が問われるかもしれない。