対する私は、遅れを取り戻すためにスタートダッシュを切り、アッツアツのカレーうどんを喉に流し込んだ。ひたすら熱い麺と汁をすすり続ける私とは対照的に、向かいに座っている大山さんはすでに食べ終わり、爪楊枝を口に。

 なんなら、もう会計しようという仕草をし始めている。こんなに味のしないカレーうどんも初めてで、最終的には味どころか、もはや熱さも感じなくなっていたのだが、二人の間に流れる空気の冷たさだけは感じることに。

 やっとの思いで食べ終わり、「美味しかったです。ご馳走さまでした」とお礼を言うと「メシは先輩より早く食い終わらなあかんで」と一蹴。それ以来、ご飯には誘われなくなってしまった……。

 大切なのは、早く食べることではない。早く食べられるものを頼むことなのだ。そのうえで時間をコントロールできれば最高だ。

 もし皆さんが、少しでも他人に差をつけたいのなら、時間をコントロールしながら美味しく食べる技術を身につけるべきなのだろう。

<ライター・新津勇樹>
◎元吉本新喜劇所属。芸人、役者時代の人脈を活かし、体当たり取材をモットーに既成概念にとらわれない、新しいジャーナリスト像を目指して日々飛び回る。