もっともらしい作り話で人間関係を惑わすのも、高校時代の落合容疑者の手口だという。同級生が続ける。

人を陥れることや、怖がらせるような嘘を言いますね。実際には言ってないことをでっち上げて伝えるんです。その悪口をうのみにして落ち込んでいる姿を見て、自分が楽しんでいる感じでした。

 具体的には、自分の知らないところで仲よくなる人がいると、そこに行って“こんなこと言ってたから、仲よくしないほうがいいよ”とわざわざ告げ口していました」

 そのせいで、生徒同士が仲たがいすることも多かったという。

「退学に追い込まれたクラスメートもいました。嘘をつくのがうまいので、本当かなと信じてしまうんです。

 時折、優しさを出すところもうまいんです。今みたくSNSがある時代じゃないので女の子同士は手紙のやりとりなんかをする。それがマメでした。ちょっと孤立している人には“大丈夫、私がついているから”って甘く優しい言葉をかける。彼女の真意は本当に謎でした」

知人の死後、引きこもりに

 卒業後は、栃木県足利市近辺の工場に就職したが、数年で退職してしまう。

「辞めてからは派遣の仕事や日雇いの仕事を転々としていました。なので、仕事をしているときとしていないときがあります」

 と前出の捜査関係者。「ギャンブルが好きなようで、パチンコによく足を運んでいたようです」とも付け加える。

 同時期に2人の知人が亡くなって以来、落合容疑者は家に引きこもるようになった。

 容疑者の自宅付近の古参住民が話す。

「20年前からここに住んでいますね。新築で建ててね。ご近所ですけど、付き合いは挨拶程度。夫婦と20歳くらいの娘さんの3人暮らし。ご主人はどこかにお勤めだとは思うけど、いつも夕方の5時くらいに家に帰ってくる。

 奥さんは、最近はほとんど外出する姿は見たことないですよ。見た感じはおとなしそうで、旦那さんも静かな感じ。ご近所迷惑とかトラブルとかもなかったです」

 現段階で、亡くなった萩原さんならびに遺体で発見された40代女性と落合容疑者の間にトラブルがあったかどうかは確認されていないが、古参住民は、次のように言う。

「亡くなった高齢の人(萩原さん)を、私は見たことがないんだけど、同級生くらいの年齢の女性は、よくこの家に来ていた。(溺死体で見つかった栃木県の)板倉町の人だと思うんだけどね」

 初対面の人に、自分から声をかける社交性がある一方、嘘を駆使して人を疑心暗鬼にさせる習性が昔からあったという落合容疑者死体遺棄事件の供述を突破口に事件の全容解明が待たれる。