『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』本文より。養子であることを伝える「真実告知」は幼いうちの方がいいと言われている

「子どもは3、4人欲しい」

 里子は3、4歳でもいいと思っていた。愛情を確かめるため大人をわざと困らせる“試し行動”があるかもしれないと覚悟していたが、新生児がやってきた。

「里親研修を終えた途端、赤ちゃんを預かってほしいと言われて。びっくりしました。役所のケアもとても手厚い。こちらの想像の何倍も面倒を見てくれました」

 長男はすでに3歳。「かんが強いのか、泣き出したら止まらない」。「生みの親がいる」とは伝えているが、理解できているかはわからない。

 長男との特別養子縁組が成立して1年がたつ。生みの親との法的な親子関係を解消し、育ての親として親子関係を結んだ。法律上は実の子と同じになる。不安はなかったのだろうか?

「知り合いの漫画家が養子縁組をしているんですが、実の親子同然に見えました。真っ先にその親子が頭に浮かんで、安心できたんです」

 その後、2人目の娘も生まれたてで預かった。長男と同じく特別養子縁組を検討中だ。

 子育ての悩みは尽きない。長男は、欲しがるものを「買えないよ」と言われ、荒れて妹に八つ当たりをした。そのとき、「妹なんて、乳児院に戻せばいいんだ」と叫んだという。

「妹の出自も理解していることがわかりましたが、それは言ってはいけないこと。“人を傷つけるようなことを言うと、自分も傷ついてしまうので、言っちゃいけないよ”と叱りました」

 古泉さんは2人のほかにも子育てをしたい気持ちがあると話す。

「できれば、子どもは3、4人欲しいです。でも、僕も年ですし、これ以上は体力が大変。なので、今の2人が大きくなったとき、少し大きめの子どもを預かるということはあるかもしれません」

 里親や養子縁組は、なにより子どものためにある制度だ。だが、社会的養護を通じて「親」になれるかもしれないという選択肢は、子どもを切望する人たちにとって希望でもある。多様な家族を支える仕組みと理解が求められている。

<取材・文/渋井哲也>