――おふたりが共演したロックミュージカル『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』の稽古(けいこ)や公演で印象深いことは?

 大くんは、引き出しがえげつない(笑)。いろんな芝居を試すので。稽古中、演出家さんが求めてるものをどんどん出していって、これかな? これじゃないのかな?って、駆け引きをしている姿を見て、すげ~って思いました。

柳下 ハハハ。いや、なんか飽き性なんですよね。試すというより、お芝居の役作りの幅を自分で知りたいんですよ。この役でこれはありなのか、なしなのか。自分で(セリフを)言ってみて、これは気持ち悪いのか、悪くないのか。

 (真剣な眼差しで)うんうん。

柳下 それで、演出家の反応を見て、だんだんその幅や厚みを増していったりとか、すごい広いものをギュッと濃いものにしていくっていうか。それを確かめることによって、例えば、本番で何か起きたときでも、いろんな自分がいるから対応できるし。稽古はそういうものだと思っているから。

柳下大、東啓介(奥) 撮影/廣瀬靖士
柳下大、東啓介(奥) 撮影/廣瀬靖士
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――稽古場での東さんを見ていて、気づいたことはありますか?

柳下 集中力は、ほんとにすごいなとは思いますよ。休憩中、アハハ~っ感じでしゃべってたのに、恋人が亡くなるシリアスなシーンとかをやるってなったら、稽古場の床に1分くらいグッとうずくまって。で、“大丈夫です、もう話しかけないでください”みたいな空気を作る。

 アハハハハハ!

柳下 「じゃあ、稽古やりましょ」って感じで、シュッとやるから。僕は、そういうのを茶化したくなるんで。「何、集中してるんだよ~」って(笑)。それで集中できなくて演出家に怒られたらかわいそうだと思って、今回はやらなかったけど。

 アハハハハハ! 次は絶対にやるでしょ?(笑)。