中学生では、リュックサックでなく、肩からかけるカバン(ショルダーバッグ)を使っているところもあります。この場合、体への悪影響はさらに心配です。同じ側の肩にばかりかけていると脊柱が湾曲してしまう可能性もあります。

 中学生は、部活動の用具も持たなければならないわけで、その重さも考えなければなりません。歩く距離が長い子はより深刻です。顎を突き出しながら、疲れ切った表情で歩く姿が目に浮かびます。

 下記のようなニュースは、少し明るい希望を持たせてくれます。生徒たちのすばらしい取り組みによって、「置き勉」が可能になったのは、とてもよいことです。

・学校が動いた!中学生の「カバン重い」動画

そもそも「巨大化」した経緯に問題がある

 繰り返しますが、この取り組みは本当にすばらしいです。でも、本質的な問題は別のところにあり、その解決のためには教育改革が必要だと私は考えています。ところが、その方向性が間違っているので、子どもたちがいろいろな形で被害を被る形になるわけで、ランドセルの巨大化もその1つです。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 具体的には、次の2つの勘違いによって、子どもたちのランドセルが巨大化したのです。

「教科書を厚くして教える内容を増やせば学力が上がるだろう」「授業時間を増やせば学力が上がるだろう」

 この2つの勘違いから抜け出さなければ、根本的な解決にはなりません。はっきり言いますが、教科書を厚くして教える内容を増やしても、授業時間数を増やしても、子どもたちの学力は上がりません。

 なぜなら、日本は小学1年生(35人学級)を除いて、長年にわたって40人学級のままだからです。1人の先生が最大40人の子どもたちに一斉授業をするのです。先進国でこれほど大人数の一斉授業をしているのは日本だけなのですが、この事実はあまり知られていません。

 公立小・中学校の子どもたちの学力差は非常に大きいです。一を聞いて十を知る子もいれば、その逆の子もいます。授業が始まる前からすべて完璧に理解している子もいれば、いくら教えても理解できない子もいます。

 そして、学年が上がれば上がるほど、学力差は大きくなります。特に算数・数学と理科においては、どうしようもないほど大きくなります。私も教師だったとき、小学5、6年生の算数や理科の授業ではいつも苦労しました。