先々の予定が見えている大型出費のひとつ、結婚式については2019年3月31日までに締結したものであれば8%ですむが、

「あまり早く契約すると、結婚が破談になったときに困るので、完全に予定が決まっている人だけにしたほうがいい」

 と森永氏。荻原氏は、

「別れないのであればいいと思いますけど1年後どうなっているのかはわかりませんからね。結婚はその気になったときにするのがいいと思います。2%くらいでどうこうするものではないと思います」

 現段階で消費者ができそうな対策は、

「買いだめの効果があるのは、日持ちして値段が変わらないもの。例えばタバコとか一部に限られると思います」(森永氏)

「お酒とか、みりんもお酒が入っている本みりんは10%になります。そういうものは増税前に買いだめしていいかもしれないですね」(柏木氏)

「還元セールと型落ち商品で購入すればいいですよ。車は燃費の状況によって税金がかかるものとかからないものが出てきます。まだ損か得かの判断ができないと思います」(荻原氏)

増税凍結の可能性も

 大変な負担は、小売店などの事業者にもかかる。8%と10%の税率を区分するレジを導入したり、キャッシュレスで購入した消費者にポイントを還元する決済端末を設置する必要性に迫られるが日本商工会議所が6~8月に行った聞き取り調査では、準備不足と回答した中小事業者は8割にのぼったという。

 売り上げ1000万円以下の事業者の5割は、今も手書き帳簿だという。そこからいきなりキャッシュレスの世界に移行できるのか。

 冒頭、森永氏は増税凍結の可能性を指摘した。

「凍結表明するとしたら来年の夏ごろまででしょう」

 前出・荻原氏にいたっては、

増税はないと思います」

 と言い切り、次のように根拠を示す。

「安倍首相は消費税を上げたのに、選挙では連戦連勝しています。その勝因は、消費税を先送りにするというカードをちらつかせてきたからなんです」

 と“増税延期カード”を安倍首相が握っていることこそがポイントと見る。

 10月16日付の読売新聞には『増税 三度目の正直』という見出しが躍り、《「再々延期の懸念一掃」》と、安倍首相の背中をホールドした。もう逃げることは許されないぞ、とでもいうような強烈な見出しだった。

 前出・識者が伝えるように慌てず焦らず敏感に反応せず、が消費者の賢い立ち回り方なのかもしれない。