人気ヤンキー漫画を賀来賢人主演で実写化。'80年代を舞台に高校生たちがケンカと恋に大暴れするおバカコメディードラマ。平成最後の年に登場した時代錯誤(?)なドラマの舞台裏とは――。

'80年代若者言葉に反響。時代錯誤を跳ね返す

 累計4000万部突破の西森博之原作の同名漫画を実写化した学園コメディー。主演は賀来賢人。脚本と演出は『勇者ヨシヒコ』『銀魂』シリーズなどの奇才・福田雄一が手がける。

 賀来が演じる主人公の三橋は、転校を機に金髪にしてツッパリデビューした高校2年生。“どんな手を使っても勝てばいい”という卑怯者で、同じく転校からツッパると決めたトンガリ頭で頑固者の伊藤(伊藤健太郎)とバディを組み、ケンカに恋に大暴れ。

 舞台は'80年代だが、意外にも若い世代に支持され、注目されている。

おかげさまで、ネット上でも連日にぎわってくれています。“ツッパリ”“レスカ(レモンスカッシュ)”などの単語や、女番長役の橋本環奈さんが魔法をかける“ピロリロリーン”だけでも大きな反響があり、うれしい限りです

 と、連載当初からの愛読者という高明希プロデューサー。

原作が大好きだったんですが、好きすぎるあまり、安易にドラマ化したいとは考えませんでした。なぜなら三橋を演じられる役者さんは、この世にいないと思っていましたから。

 賀来君とは、7年前に私の初プロデュース作『らんま1/2』で一緒に仕事をしました。それ以来、彼の映画や舞台などを見てきましたが、その出演作を通して福田さんの魅力に触れることができました。

 福田さんは原作の面白さを生かしつつ、ドラマとしての笑いに昇華できる希有な方。福田さんと、役者として脂が乗った今の賀来君なら、原作の世界観、三橋を表現できると感じ、初めてドラマ化を考えました」(高P、以下同)

 '80年代のツッパリドラマには“時代錯誤”の声もあったが、平成最後の年の今だからこそ、実写化する意味があるという。

福田さんとの共通認識として、当時の世界観を斬新と感じる若い世代が絶対にいるという確信がありました。“ツッパリ”をヤンキーや不良と置き換えるのではなく、知らない世代にも面白がってほしい。そのため“マブい”“ナウい”“ぞっこん”など当時の若者が日常で使っていた言葉ははずせませんでした」

 当時を知る世代に懐かしいのが、主題歌。“ツッパリソング”を象徴する嶋大輔の『男の勲章』を本作の出演者による“今日俺バンド”がカバーしている。

「面白さを重視しました(笑)。嶋さんが歌っている姿と当時の映像の郷愁だけではなく、若い人たちがライブ風にパフォーマンスしているほうが圧倒的に面白いと感じたんです」

 主題歌の動画再生数はうなぎのぼり。初回放送前から配信している予告やミニコンテンツも人気を集め、300万アクセスを超え、さらに伸び続けている。