万一スマホを落としてしまった場合は、サービスを利用している電子マネー業者に連絡して利用停止手続きをするほか、クレジットカードなどの明細は必ず確認したほうがいいだろう。

リスク2:個人情報の大量盗難

 スマホを落とすと、大量の個人情報が見ず知らずの他人の手に渡るリスクもある。私の友人であるB子さんの娘も、スマホを失くしたことで同様の被害に遭った。

「ある日、私の友人から急に『お子さんからLINEで変なメッセージがきた』と連絡がきました。警察に届けた後に携帯会社に連絡して利用を止めたけれど、スマホには娘の写真もたくさん入っているので、その後も安心できませんでした」

 と、B子さんは当時を振り返る。

 結局、B子さんの娘のスマホは見つからず買い直すことになった。後日、彼女は偶然、娘の写真が「かわいい小中学生の女の子」とまとめサイトに掲載されていることを知ったという。

 写真が流出していることを知って、相談機関に相談して、削除依頼を送ることになったそうだ。

「掲載されている分は削除できたはずですが、知らない人が娘の写真をまだ所持している可能性もあります」と、B子さんはいまだに不安を拭えていない。

 このようにスマホを落とすと様々なリスクが身に及ぶ可能性がある。スマホは、名前や電話番号、写真や動画、メールなどが記録されている“個人情報の塊”だ。

 もしアプリを通じてSNSにアクセスされたら、さらに多くの情報が盗られてしまうだろう。

 たとえばFacebookでは、本名、顔写真、居住地、出身校や勤務先、交友関係などだけでなく、メッセージの内容も筒抜けとなってしまう。自宅や勤務先を特定して待ち伏せをされたり、アカウントを乗っ取られてプライベートな写真が流出したりということも起きる可能性もある。

「端末紛失対策アプリ」を活用しよう

 では、上記のようなリスクに対してどのような対策を取ればいいのだろうか。

 基本的なことだが、スマホの画面ロック機能は必ずオンにしておこう。それだけでスマホの内容を盗み見られるリスクがかなり抑えられる。

 その際、パスワードは推測されにくいものにしておくことが重要だ。あるいは指紋認証や顔認証などにしておけば、セキュリティ強化に役立つだけでなく、使いやすい。