味わい深い、仲間の存在

 しかしそこは北海道が生んだスターであり、いまや日本でも屈指の人気俳優となった大泉さん。最後の最後にはやっぱり主演らしいしっかりとした言葉で、この賑やかな舞台挨拶を締めてくれました。

映画『そらのレストラン』札幌・完成披露試写会(左から)鈴井貴之、大泉洋、本上まなみ、深川栄洋監督 撮影/乗田綾子
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大泉「本上さんもおっしゃっていたとおり、この映画はほぼ実話といいましょうか、北海道のせたな町に実在する若手農家・酪農家のグループ『やまの会』というモデルが実在するんです。ですからそういう生産者の方たちが実際に北海道にいるんだな、と思って映画を見ていただけると面白いと思います。

 そして映画を通して、いろんな食材があるんだなっていうことを知ってもらったり、その中から映画を見た皆さんが北海道のいろんなものを食べてくれることで……今年は大きな震災もございましたので、この映画がそういった意味でも何かお役に立てればいいな、北海道が元気になるといいな、と思っております」

 この舞台挨拶の後、私も『そらのレストラン』をひと足早く観せてもらったのですが、観終わって真っ先に思ったのは「仲間という存在って、そういえばこれくらい味わい深いものだったかもしれない」という気づき。

 その場の楽しさや目に見える絆だけではなく、時に厳しいこと、苦しいこともわかち合うからこそ、人はいつしかもっと強くつながっていく。そんな大事なことを、「そらのレストラン」は実にさりげなく、だけど確かに思い出させてくれました。

 キャッチコピーにもなっている、《笑顔も涙もおいしいも ひとつにとけあい分かち合う》。その意味は映画を観るとより深く、自然といつまでも心に残るはずです。

 ただし空腹時の鑑賞にはご注意を。目にも心にも美味しい映画を見た後は、きっと誰もがその濃厚な余韻を、胃袋でも味わいたくなるはずです!

映画『そらのレストラン』
2019年1月25日(金) 全国ロードショー
公式サイト:http://sorares-movie.jp/

乗田綾子(のりた・あやこ)◎フリーライター。1983年生まれ。神奈川県横浜市出身、15歳から北海道に移住。筆名・小娘で、2012年にブログ『小娘のつれづれ』をスタートし、アイドルや音楽を中心に執筆。現在はフリーライターとして著書『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)を出版している他、雑誌『月刊エンタメ』『EX大衆』『CDジャーナル』などでも執筆。Twitter/ @drifter_2181