タンパク質が不足すると、コラーゲンの合成や、古いコラーゲンの分解がうまくいかなくなるという。

「また、良質なタンパク質といえば、カルシウムやビタミンKも含む納豆。納豆を食べる地域は骨折が少ないというデータがあります。納豆は酢と一緒にとるとカルシウムの吸収が高まるため、もずく酢などと一緒にとるといいでしょう」

骨と筋肉の強化を

 運動も、骨の強化に重要なポイントといえる。

「かかとを上げて床に落とす、音を立てながら歩くなど、重力の負荷が骨に十分にかかる運動を行いましょう。タップダンスや卓球も効果的。また、ウォーキングやエアロビクス、太極拳が骨密度の低下を防ぐという研究報告もあります」

 また、骨と同じように筋肉の強化にも目を向けて。

「骨は筋肉が動かします。筋力が弱いと骨も弱くなり寝たきりに、と悪循環に。筋肉を鍛えるには、腹筋や背筋などの筋トレのほか、ウォーキングなどの有酸素運動が欠かせません」

 ウォーキングでは、少し速めに、歩幅を広めに、ももを上げることを意識して歩くことがポイント。

「これらの運動後に、良質なタンパク質を中心とした食事をとるといいでしょう。私は毎日スロージョギングした後で、肉や魚、大豆製品などのタンパク質を十分にとるように心がけています」

 毎日の食習慣から骨粗鬆症を防いで、将来の寝たきりリスクに備えよう!


骨の質&密度を高めるオススメレシピ

納豆もずく酢サケフレークかけ

【材料(1人分)】
納豆…1パック、もずく酢…1パック、サケフレーク…大さじ1、ごはん…1杯
【作り方】
納豆は付属のタレは使わず、もずく酢と混ぜ合わせる。ごはんにかけて、その上からサケフレークをかける。酢がカルシウムの吸収をよくして、納豆の粘り気をとるので苦手な人も食べやすい。サケはビタミンD補給。


《PROFILE》
中山久徳先生 ◎なかやま・ひさのり。医師、そしがや大蔵クリニック院長。国立山形大学医学部卒業後、東京大学医学部アレルギーリウマチ内科に入局。2012年4月、世田谷区砧にて『そしがや大蔵クリニック』を開院。リウマチ内科医として、関節リウマチ・膠原病・骨粗鬆症の診療に従事。全身疾患の臨床経験を生かし身体の全般についても診察。テレビ、雑誌などでも活躍。