さらに怖いのが、働き口がなくなってしまうこと。

「昨年3月末から“雇い止め”になった非正規労働者がたくさん出てきています。その要因となっているのが'13 年4月に施行された改正労働契約法です」

 パートや契約社員などの非正規労働者は、その多くが6か月や1年など期限つきの労働契約を企業と結んでいる。法改正に伴い、有期契約を更新しながら通算で5年以上働いた場合、働く期間の定めのない「無期雇用」に転換できるルールが作られたのだ。

「ところが、企業は無期雇用に転換する契約社員が増えるのを防ぐため、昨年4月以降、労働期間が5年を超えそうな非正規の契約を打ち切るようになったのです」

物価が上昇し続ける

 寒風が吹きつけるのは非正規だけではない。戦後2番目に長い好景気とされているものの、暮らしは楽になりそうもない。物価の上昇が本格化し始めているというのだ。経済評論家の加谷珪一さんが言う。

「いま、物価は世界規模で上がっていて、むしろ日本の物価が安すぎるくらいです。その日本でも、企業は食品の内容量を減らすなどしながら、なんとか価格を抑えていましたが、ついに耐え切れずこの春から一部で値上げが始まります。さまざまな原材料価格の高騰なども影響して、物価が上昇し続けるインフレの流れが本格化しそうです

 たとえ専業主婦であっても、今後は積極的に収入を増やす姿勢が重要になってくる、と加谷さん。

「例えば、パートに出るのが難しいなら、スマホを使って売買できる『メルカリ』などのアプリで不用品を売るところから始めてもいいと思います。特に、まだ40代くらいの方たちは、もらえる年金額が今よりも減ることが予想されますから、資産運用も真剣に考えてみてください

 増税に値上げ、物価高と停滞ムードの漂うなか、新時代の到来を感じさせる動きがある。世界規模で進む「キャッシュレス化」だ。

「今年は日本でも、電子マネーなど、現金を使わない支払い方法が普及する“キャッシュレス元年”になりそうです」(あんびるさん)

 なかでも昨年12月に発表されるやいなや、話題をさらったのが、スマホ決済サービスの『PayPay(ペイペイ)』の「100億円あげちゃう」キャンペーン。スマホにPayPayのアプリをダウンロードして支払い方法などを設定。対象店舗で支払いに利用すると、なんと価格の20%がポイント還元されるというもの。

 そのインパクトに、4か月間実施の予定がわずか10日で予定金額に達しキャンペーン終了。『LINE Pay』も12月限定で20%ポイント還元を行うなど、各社でサービス競争が激化し始めている。