慰問先では、限られた時間で多くの人と触れ合えるよう両陛下は別々にお声がけを行っている
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 平成になった当初、地方のご訪問先に集まっているのは、美智子さまをひと目見たいという女性がほとんど。かけ声も“美智子さま”の声ばかりだったとか。

「昭和30年代、当時の若い女性にとっては美智子妃がいちばん憧れる存在で、お互いに年をとっても、それは変わらないのでしょう」

天皇は「祈りの存在」

 長年、皇室を取材してきた皇室ジャーナリストの久能靖さんは、日本人に根づく天皇像を「祈りの存在」と表現する。

日本人のなかに、天皇は“祈りの存在”としてあり続けてきたのだと思います。世の中を動かす政治については、われわれ国民がやりましょう。なので、天皇は国民みんなのことを、平和を祈ってくださいと。

 例えば、陛下が被災地にお見舞いに行かれても、そこで具体的な対策などをお話しにはなりません。直接現地に行くという行動で、みなさんのことを考えていますよ、ということを示していらっしゃるんです」

 常に国民のことを考え、祈り続ける姿にみんなが感動している、と久能さんは皇室に魅かれる日本人の心情を説明する。

「いまの天皇・皇后両陛下は、親子で同居したり、これまでの皇室がやってこなかったことを始められたので、批判もいろいろありました。皇室にあるまじきことをしていると。次の世代でも新しい天皇の取り組みについて、いろいろと批判が起きると思いますが、日本人に根づく“祈りの存在”という考え方は変わらないと思います」


《PROFILE》
渡邉みどりさん ◎皇室ジャーナリスト。日本テレビに在籍中、昭和天皇崩御報道特別番組ではチーフプロデューサーを務めた

山下晋司さん ◎皇室ジャーナリスト。宮内庁で23年間勤務した後、『皇室手帖』の編集長などを務めた。現在は各メディアで解説を行う

久能靖さん ◎皇室ジャーナリスト、元日本テレビアナウンサー。フリーに転身後、『皇室日記』のキャスターを務めた