千葉容疑者は昨年の春ごろまで同市内で両親とは別々に暮らしていた。しかし、児相は“生活環境に問題あり”と指摘、子どもは保護され、容疑者は実母のもとに身を寄せることになった。しかし、その直後から県営住宅の実父のもとに住み始めたという。

インターネット上でライブ配信

 同じ棟に住む30代の女性は、「顔を合わせればあいさつや会釈をしていた」という千葉容疑者を覚えていた。

「昨年の夏に見かけたときはノースリーブのワンピースを着て、買い物に行くところでした。ばっちりお化粧してね、ちょっとお腹も目立ってきていたけど、今どきの子って感じでした。おとなしそうでほんわかとした雰囲気の子です」

 実父は毎日、午後11時過ぎに仕事から帰る生活で、千葉容疑者の夫とみられるような若い男性を見かけたという証言はなかった。

「双子の父親については取調室で何も言わないんです。その男性からの金銭的な援助もない」(前出・捜査関係者)

 心から頼れる誰かが、千葉容疑者にいたのか。児相に対しても千葉容疑者は、ウソの申告をしていたふしがある。

「職員と市の保健師が訪問したのは、実母の家です。そこに住んでいると申告しており、私たちもそれを信じていました。子どもたちの様子は安定していましたし、お金の相談もありませんでした。容疑者は無職でしたが、同居の親族から支援が受けられるので、養育環境に問題はないという認識でした」(前出・児相職員)

 ところが実際には、実父と県営住宅で暮らしていた。それでも、働いている実父に助けを求められたはずだが、千葉容疑者はそうしなかった。

実父宅はカーテンが閉められたまま
実父宅はカーテンが閉められたまま
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「ミルク代が必要だと言えなかった理由を“親に迷惑かけてきたから自立しなきゃという思いがあり、言えなかった。遠慮があった”と供述しています。“今思えば、両親にお金を借りてミルクを買えばよかった”と反省の弁を述べています」(前出・捜査関係者)

 実父にも実母にも助けを求めない一方で、インターネット上でライブ配信を行い、自分の窮地を投げやりに伝えていた痕跡がある。

「双子出産→1日中配信→母乳あげてる時期なのに配信中にビールを飲む」と書いていたとする情報があり、批判されると配信頻度が減ったという。

 生活時間帯が異なるため乳児の衰弱に気づかなかった、とする実父を訪ねたが、

「弁護士さんに言われよるから話せない」とだけ消え入りそうな声で答え会釈をして扉を閉めた。扉の向こうでは泣き声も上げられないほど衰弱しきった赤ちゃんが数日前まで生きていたのだ。